2013 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症スペクトラム障害の遂行機能と脳内化学物質の研究
Project/Area Number |
22610001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀 孝文 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40241822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 俊樹 放送大学, 教養学部, 教授 (60091857)
宮本 信也 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 教授 (60251005)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム / 遂行機能 / 前頭葉 / MRS |
Research Abstract |
自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder; ASD)は社会性が障害され、慢性に経過する原因不明の精神疾患である。本研究は、ASDの社会性の障害に関わる前頭葉の遂行機能と脳内化学物質の関係を調べ、障害の特徴を明らかにして新たな治療法の開発の基礎を築くことが目的である。そのために知能検査(WAIS-IIIまたはWISC-III)、前頭葉機能検査(FAB)、遂行機能検査(BADS)を研究代表者の所属する病院にて行い、国立環境研究所において4.7テスラのVARIAN社製MRI装置を用いてMRSを測定すること計画し、平成25年度末までにASDの疾患群4名、正常対照群8名を測定した。ASD傾向をみる指標であるAQの平均は、疾患群が32.5、対照群9と明らかに疾患群の得点が高く、診断を裏付けていた。 その結果、知能指数(IQ)の平均は疾患群が93.8、対照群が109.3で、FABの平均が疾患群、対照群とも17と統計学的に有意差がなかった。これは、両群は知能や、FABで測定される全般的な前頭葉機能に差がないことを示している。ところが、前頭葉の機能の中でも遂行機能を測定するBADSでは、年齢補正した平均点数が疾患群76.8、対照群が106.9と有意に疾患群で低かった。これは、ASDでは遂行機能が低下しているという従来の報告を支持する所見であるが、BADSで測定される遂行機能については未だ報告がなく、新しい知見と思われる。今後はMRSの結果との相関を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)