2011 Fiscal Year Annual Research Report
機械刺激依存的アクチン骨格再構成を支えるダイナミンナノクリップの役割
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22616004
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 浩司 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80325092)
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Keywords | ダイナミン / アクチン / 機械受容チャネル |
Research Abstract |
ダイナミン・コルタクチンによるアクチン繊維束形成とその制御機構 ダイナミン・コルタクチンからなるダイナミンナノクリップは、アクチン線維の安定性に対して、どのような効果があるのかをさらに検討した。ナノクリップによるアクチン線維束形成は、より安定化をもたらすことが判明した。この安定化は、グアニンヌクレオチドの状態によって変化したことから、ダイナミンの酵素活性が、クリップ特性に重要であることがわかった。また、神経細胞においても、ダイナミンナノクリップが重要である証拠を得た。さらに、ダイナミンナノクリップが生理的にどのように働いているのかを詳細に調べるために、種々のダイナミン阻害剤の効果を調べている。 アクチン線維束形成には、ダイナミン・コルタクチンのキナーゼによるリン酸化が重要である証拠を得た。来年度以降、コルタクチンをin vitro、in vivoでリン酸化するキナーゼを同定し、機能解析を進める。 アクチン重合を指標としたダイナミン阻害剤スクリ-ニング ダイナミン阻害剤をアクチン動態変化を指標に評価する系を構築した。来年度以降、この系をもちいて、効果的なダイナミン阻害剤のスクリーニングを進め、細胞レベルでナノクリップの動態を解析できる系を構築する。 機械受容チャネルの発現と細胞遊走 対象としたがん細胞では、機械受容チャネルファミリーが発現していることを蛋白質レベルで確認した。来年度は、他のイソフォームの発現を遺伝子のレベルで確認する。また、チャネルをRNAi法によりノックダウンすると、遊走が顕著に減少した。この条件下、ダイナミンのラッフル膜への移行が消失し、アクチン線維束の形成も阻害された。来年度は、どのようにダイナミンに、機械受容チャネルからのシグナルが伝わっていくのかを調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
機械受容チャネルの機能的発現と、そのチャネルが細胞遊走と関連する証拠が得られた。ダイナミン・コルタクチンのアクチン線維束形成機構のメカニズムも順調に解明されてきており、当初の計画より順調に遂行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ダイナミン・コルタクチンによるアクチン線維束形成機構の詳細について、来年度早々に論文としてまとめる。その知見を元に、がん細胞の遊走機構におけるこれらタンパクの機能解明をおこなっていく。
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