2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞由来リポソームを用いたバイオセンシング技術の構築
Project/Area Number |
22650105
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安田 隆 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (80270883)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | リポソーム / 膜タンパク質 / GPCR / QCM / マイクロ流路 / リンパ球細胞 / バイオセンサ |
Research Abstract |
膜タンパク質BCR (B-cell receptor)を有するリポソームを用いて、以下のようにしてQCM (Quartz Crystal Microbalance)センサを構築した。まず、BCRを大量に有するヒトリンパ球細胞Ramosを酪酸ナトリウムで刺激することでリポソームを生成した。次に、フィルターを用いてリポソームのみを回収し、超音波処理により直径1μm以下に微粒化した。そして、細胞膜アンカー機能性分子により形成された自己組織化単分子膜を介して、QCMセンサ素子の金電極表面にリポソームを固定化した。このようにして製作したセンサをマイクロ流路中に設置し、抗BCR抗体溶液を導入した。その結果、BCRと抗BCR抗体の結合反応に伴うQCMセンサの共振周波数減少をリアルタイムで計測することに成功した。抗BCR抗体溶液の希釈系列(10、20、30、40、60、80、100μg/ml)を作用させ、各抗体濃度における抗体結合量をSauerbreyの式より算出し、抗体濃度と結合量の関係を求めた。 次に、遺伝子導入によりヒトリンパ球細胞Ramosの細胞膜上にGPCR(Gタンパク質共役型受容体)の一つであるBB2R(ブラジキニンB2レセプタ)を発現させた。この細胞を薬剤刺激することでリポソームを生成し、このリポソームを回収・微粒化した後にQCMセンサ電極上に固定化した。マイクロ流路中にセンサを設置し、BB2Rのリガンドであるブラジキニンを含むPBS溶液(1mg/ml)を導入したところ、有意な周波数減少が認められた。このときのブラジキニン結合量は1平方mm当たり約58pgと算出された。以上のように、構造が複雑で不安定なGPCRを、その本来の構造と機能を維持した状態でリポソーム膜上に獲得し、このGPCRをプローブ分子として用いた新規バイオセンシング技術を構築することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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