2012 Fiscal Year Annual Research Report
機能的胆管ネットワークを配備した肝組織の体外体内一貫構築
Project/Area Number |
22650108
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 康行 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00235128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落谷 孝広 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 分子細胞治療研究分野長 (60192530)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / 生物・生体工学 / 肝細胞 / 胆管上皮細胞 / 球状凝集体 / 胆管 |
Research Abstract |
24年度は,胆管構造を含む三次元肝細胞凝集体に焦点を絞り,生体外において内部構造や胆管と実質細胞との組織化・胆汁排泄蓄積能を最適化し,並行して移植実験を行い両者の結果を互いにフィードバックすることにより,胆汁排泄能を持つ肝組織の構築を目指した.まず生体外において,組織再構築能に優れたラット胎児肝細胞とラット成熟肝から採取される成熟胆管上皮細胞とを, “3 : 1”, “1 : 1”, “1 : 3”の混合比で非接着性プレートにて培養することで凝集体へと組織化した.その結果,成熟胆管上皮細胞の存在比に依存して組織内部に胆管ネットワーク構造が形成されることが確認できた.さらに,蛍光性の代謝物を用いて胆汁排泄・蓄積能を評価したところ,成熟胆管上皮細胞が“1 : 3”の場合にのみ,連続したネットワーク様構造への胆汁蓄積を見ることができた.これらのことから,機能的胆管構造の生体外構築において成熟胆管上皮細胞が重要な役割を果たすことが示された.さらに,生体内での胆管構築においても成熟胆管上皮細胞が必要となるかを検討するため,上述のように生体外で構築した“1 : 1”凝集体および対照群として胎児肝細胞のみで構築した凝集体(“1 : 0”)を,マトリゲルに浸したポリ乳酸不織布担体に包埋して免疫不全マウスの腸管膜上に移植し,生体内における更なる胆管ネットワーク構築の可能性を検討した.移植4週間後に移植片を摘出し組織像を観察したところ,“1 : 0”では肝実質様構造のみが形成されていたのに対し,“1 : 1”では実質構造に加え胆管上皮細胞で形成されるネットワーク構造も形成されていることが確かめられた.以上の結果より,胆管構造をもつ肝組織の構築を目指す上で,生体外・生体内いずれにおいても成熟胆管上皮細胞の存在が極めて重要な役割を果たすことが明らかとなった.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|