2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22650123
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山口 晴保 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (00158114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝山 しおり 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (50334123)
山上 徹也 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (60505816)
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Keywords | 脳活性化リハビリテーション / 認知症 / ランダム化比較対照試験 / 認知機能 / 行動・心理症状 |
Research Abstract |
「認知症は治らない」「認知症はリハの適応にはならないという」という古い概念から、「認知症は適切な医療とリハで生活が回復する」という新しい概念への転換を目標にしている。脳には可塑性があり、残存機能を高めて廃用を減らせば、生活力が高まり、行動・心理症状(BPSD)が減り、進行を遅くすることができることを示すために、脳活性化リハビリテーションの原則をまとめ、英語のレビューとして提唱した。これを元に、高崎市でもの忘れを訴える高齢者を対象に、脳活性化リハビリテーションの原則に基づく介入研究として「高崎ひらめきウオーキング教室」を行った。約200名の参加者をランダムに2群に分け、3か月間の歩行習慣化プログラムを実施し、認知機能や生活機能に改善効果を示した。この成果を元に、事業化を計り、介入マニュアルと評価マニュアルを作成して実施した結果、一部の認知機能とQOLに改善がみられ、教室終了6か月後におこなったアンケート結果で歩行継続率が80%を越え、脳活性化リハの原則を加えることで歩行習慣化を高めることができた。同様の検討を前橋市でも行い、一部の認知機能やQOLの改善を認めた(投稿準備中)。さらに、エビデンスを示すために、ランダム化比較対照試験(RCT)による研究もグループホームの利用者を対象に行った。結果を投稿準備中である。 また、地域住民を対象とした認知機能の評価尺度として山口漢字符号変換テストなどを開発した。 研究協力病院入院中の対象者2名に対し、脳活性化リハビリテーションとしてテレビゲームを用い予備的に介入を行った。両名ともHDS-R15点以下で脳血管障害後遺症による片麻痺を合併しており、テレビ画面に表示される内容や道具の使用の理解が困難であり継続的実施が困難であった。認知症重症度が高度な対象者では、具体的な道具等を使用した介入が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
認知症のリハビリテーションとして、脳活性化リハビリテーションの有効性を、地域在住のもの忘れを訴える高齢者(subjective memory complaints)でも示すことができ、脳活性化リハビリテーションの適応範囲を医療だけでなく介護予防の分野にまで広げることができた。 また、地域で介護予防に活用できる認知機能の評価尺度を開発できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、地域の高齢者を対象とした研究をさらに継続・進展させるとともに、介護保険での認知症リハビリテーションのエビデンスを集積していき、医療保険の認知症リハビリテーションの承認へと発展させる。
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Research Products
(4 results)