2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22650146
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 裕二 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (30191456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木島 章文 山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (10389083)
奥村 基生 静岡大学, 教育学部, 准教授 (90400663)
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Keywords | 集団ダイナミクス / 可視聴化 / 対人ダイナミクス / 集合変数 / 心理実験 |
Research Abstract |
本年度は,特に剣道データの可視聴化を中心に行い,二者間の動きから技能レベルが判断できるか否かの心理実験を作成し,実際に実験を行った。 まず,剣道上級者と中級者,それぞれ6名の選手が相手を変えて行った5分間の試合中の動きの位置データを,光学式動作解析装置を用いて12試合ずつ取得した.そしての中から打突まで5秒以上ある場面を,上級者,中級者それぞれ24場面を抽出して,打突前の5秒間のみのデータを採用し刺激材料とした.この位置座標を上方から俯?的に見えるようにX-Y平面上で実時間で動かし,二者間の詰め引きが表現できるようにした.その際に,二者間を線でつなぐ,試合場の枠線あり,仮想グリッド有(1メートル間隔)等の背景情報について予備的に検討を行い,背景は黒一色とし,選手は赤と緑の円で表すこととした.上級者,中級者の24場面ずつを乱順に呈示し,5秒後に上級者同士の試合であるか,中級者同士の試合であるかの判断を求めるようにした.この反応にはキーボードの左右のシフトキーを割り当て,あらかじめ実験参加者がシフトキーに指を乗せて押す準備ができるようにした.さらに,刺激呈示終了後からの反応時間も測定できるようにした.また,判断結果の確信度を7段階評定で求め,その後次の試行に進むようにした.これらの一連の処理はMATLABによってプログラムされた. そして,剣道の中級者と初心者を対象にそれぞれ10名ずつ,上記の技能レベル判断実験を実施した.現在その結果を解析中であるが,結果は,中級者でも正確に判断することは困難のようであった.また初心者チャンスレベルを超えないようであった. しかしながら,対人ダイナミクスの集合変数として二者間距離が何らかの役割を果たしていると考えられることから,この表現方法はある程度の試合における技能レベルの情報を有していると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度のサッカーに続き,対人競技である剣道に関しても可視化はでき,試合の流れや技能レベルを反映する集合変数がある程度同定できた.しかしながら,可聴化に関してはさまざまに試みているが,その音域,音量等設定するパラメータが多く,未だそのパラメータが決定していない点にある.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,昨年度実施した剣道の心理実験の結果をまとめ,論文にすること,さらには,可聴化のためのパラメータを決定し心理実験を行うことを予定している.しかしながら,適切な可聴化パラメータが決定できない場合には,可視化のみによって判断の正答率が高まる表現方法の工夫をする予定である.
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Research Products
(4 results)