2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22650168
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
前澤 哲爾 山梨県立大学, 国際政策学部, 教授 (30405112)
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Keywords | 高齢者生活 / 映画 / 脳波 |
Research Abstract |
「高齢者が映画鑑賞によって、どのように元気になるか」を実証する 日本は、高齢者社会に突き進んでいる。その中で、高齢者が元気に生活していくために、映画鑑賞が有用ではないかという仮説に基づき、その物理的指標として、脳に対しての刺激を実測研究する。研究の第1段階の今回は、最も特徴が捕らえやすい事例として、以下の方法を用いた。 50年前に青春期を過ごした70歳前後の高齢者を甲府市内の映画館に招き、昭和63年公開の「青い山脈」(吉永小百合主演)を鑑賞した。実験は3回にわたり、平成22年9月16日10名、平成23年2月21日15名、22日15名、計40名から以下のデータを計測した。 40名全員に対して、ストレスアンケートSTAIを上映の前後2回行った。 内30人に対しては、上映の前中後に(1)血圧測定を7回、(2)ヒトクロモグラニンAの変化(ストレスの増減)を観るための唾液収集4回、(3)α-アミラーゼの変化(ストレスの増減)を観るためのチップによる測定3回をそれぞれ行った。 内10名については、(4)脳波測定電極を装着したまま、上映中の脳波を連続記録した。 その実験過程において、本人および家族からのアンケート・インタビューを事前、実験直後、1週間後にそれぞれ実施し、実験実施前後の会話量や行動の変化について記録した。 現在、収集したデータの分析を、協力研究者が分担して行っており、平成23年度10月までにまとめる予定である。 まだ結論は出ていないが、アンケート集計を見ると高齢者の方々の多くが高揚感を感じており、それが数値的にどう表出するか期待しているところである。
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