2010 Fiscal Year Annual Research Report
衣服設計のための局所発汗量測定法の開発と発汗フェーズ予測
Project/Area Number |
22650172
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Research Institution | Osaka Shin-ai College |
Principal Investigator |
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, 教授 (00203448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松平 光男 金沢大学, 教育学部, 教授 (10142621)
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Keywords | 発汗量 / 測定法 / 身体部位差 / 吸水シート |
Research Abstract |
【目的】衣服設計に資する広い皮膚面における局所発汗量測定方法を確立することを目的とし,1)市販の吸水シートを改良して,皮膚面の曲率の異なる背部や上腕部の発汗量測定を試み,2)シート法と従来の方法で測定した発汗量を比較してその妥当性を検討し,3)運動時の発汗量を身体21部位で測定した.【方法】1)高分子吸収体を含む吸水シートに汗浸入防止材を貼り付けて改良シートを作成した,運動中の局所発汗量をこの改良シートと市販シートを用いて左右対称部位で測定するとともに,シート周辺部から侵入する汗の状態を汗の着色により観察した.2)45分間の自転車運動時(70~106 watts)における胸,腹,前腕,大腿の発汗量をカプセル濾紙法(12.6cm^2),カプセル換気法(7.1cm^2),吸水シート法(82.5cm^2)を用いて測定し,それらの結果を比較した.3)女性被験者3名に対し,40分間の50%VO_2max自転車運動を負荷し,改良したシート法を用いて身体21部位における局所発汗量を測定した,【結果と結論】1)改良シートと市販シートの発汗量間には有意な相関がみられ,改良シートが約15%少なかった.市販シートを用いて発汗量を測定すると多量発汗時にシート周辺部から汗の侵入が確認された.シート周囲にウレタンスホンジで汗の侵入防止加工を施すことで,多量発汗時にも周辺部からシートへ侵入する汗がなくなった,2)カプセル濾紙法およびカプセル換気法と吸水シート法の結果はいずれの部位も高い相関を示した.3)女性被験者で測定した発汗量の部位差はこれまでの報告と概ね一致した.概略的には躯幹部が四肢部より多いこと,躯幹部において前面より後面が,左右より中心部が多いこと,下肢において後面より前面が多いことなどが示された.以上の結果,吸水シート法はヒトにおいて広範囲の局所発汗量を測定するための有効な一手段となり得るものと推察される.
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Research Products
(2 results)