2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物育成や栽培活動で容易に活用できる畑の要らない「バケツスイカ」の開発
Project/Area Number |
22650186
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐藤 肇 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20091530)
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Keywords | 科学教育 / 植物 / 栽培 / 観察 |
Research Abstract |
本研究は学校現場における植物育成や栽培活動で畑のない場所でも栽培でき、子ども達の学習意欲を引出し教師の専門的な知識や技術、経験が無くても容易に指導できる教材として「バケツスイカ」を提案し、その育成方法の開発を目的としている。本年は教育的な効果を図るため、子ども達が直接収穫できるように植付け時期を調節して、夏休み前又は後における収穫の可能性を検討するために、以下のように苗の種類と植付け日の異なる2つの試験について授業実践を通して行った。 (1)購入苗と実生苗による比較:植付け日がそれぞれ6月4日と6月7日 (2)実生苗の適期植付け:植付け時期は7月5~7日 (1)は北海道教育大学附属札幌中学校特別支援学級(ふじのめ学級;1~3年生)で(2)は同大附属中学校の3年生のクラスで行った。試験に用いたスイカ品種は小玉系の姫甘泉であった。これらの苗は、約20lのプラスティック製丸鉢(バケツ)に畑土とバーミキュライト(6:4)と市販乾燥牛糞(500g)を配合した培養土に植えられた。施肥量はN:P_2O_5:K_2O=15:18:16の割合でバケツ当り総量で150gを3回分施した。これらは、寒風を避けるため無加温のガラスハウスで3週間~1か月育成され、(1)は6月28日、(2)は8月5日にそれぞれの校舎前に移され、高さ約2mのアーチ状支柱につるを誘引して育成を屋外で継続した。 上記(1)の試験結果は、購入苗および実生苗とも平均収穫果実数はそれぞれ1.2、1.1と株あたり確実に1果以上を収穫できたが、収穫期はそれぞれ夏休みの直前と直後となり、実生苗を購入苗と同様に早い時期に収穫するためにはおよそ1か月早く播種する必要のあることが明らかになった。また、(2)の結果については苗の生育が遅れたことによりほとんど収穫できず、(1)の実生苗と同様に早期の播種が必要であることも知ることが出来た。
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