2011 Fiscal Year Annual Research Report
植物育成や栽培活動で容易に活用できる畑の要らない「バケツスイカ」の開発
Project/Area Number |
22650186
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐藤 肇 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20091530)
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Keywords | 科学教育 / 教材 / 植物 / 栽培 / 観察 |
Research Abstract |
幼稚園や小・中学校等の学校現場において、教師に専門的な知識や技術、経験が無くても容易に指導できる植物育成・栽培教材として「バケツスイカ」を検討している。前年度に植え付け時期の調節による北海道における夏休み前の収穫の可能性を確認したが、本年度は下記のように実践授業を通して、育成方法の検討と子ども達に対するアンケート調査から学校現場における本教材の適応性を検討した。基本的な育成方法は前年度と同様であった。 1 生育程度における大玉系と小玉系の品種比較:北海道教育大学附属札幌小学校の3年生2クラス、合計80人により、「みかく」(大玉系)および「姫甘泉」(小玉系)、それぞれ10個体の生育と収穫時期の比較試験を行い、教材としては小玉系品種が有効であることが認められた。 2 施肥方法の検討:全体の施肥量は同量とし、植え付けから果実肥大期までの異なる施肥回数による効果を比較した。同大附属札幌中学校の1年生3クラス合計約120人の生徒による授業実践で行った。合計21個体による育成の結果、1株当り平均収穫果実数は全体で0.7個、平均果実重は735.3gで、処理間の明確な差異は見られなかったので、施肥回数は3回でよいことが分かった。 3 アンケート調査:「作り易さ」や「栽培の満足度」などに関して調査したが、小学校および中学校とも概ね栽培実践に対する子ども達の満足度が高く、教材としての有効性が認められた。しかし、当然のことながら小学校と中学校では教員の関わりの違いを明確にすることや、小学3年生のため糖度のパーセントの理解が出来なかったり、中学生には水やりの回数や量に具体的な指示が必要であることも明らかになった。 4 つる(分枝)数による収穫物への影響:確実に大きな果実を収穫できるために必要なつる数を検討する試験を同大附属中学校特別支援学級(ふじのめ学級)の授業実践として行ったが、育成が不十分であったため調査を中断した。
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