2011 Fiscal Year Annual Research Report
系統間マウス交配により生じるクロマチン構造の不安定化
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22651075
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
梅森 十三 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (20462913)
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Keywords | 遺伝子不適合 / 髄鞘形成不全 / レトロトランスポゾン / 低分子RNA / エピジェネティクス |
Research Abstract |
神経変性を示す遺伝的不適合マウスについてのエピジェネティックな異常および、レトロトランスポゾン(IAP)の異常発現の影響を調べるために、以下の解析を行った。 1.遺伝的不適合マウス脊髄で発現する低分子RNAの網羅的解析 新たに正常個体と異常個体3個体ずつを用いて、次世代シークエンスを用いた低分子RNAの解析を行った。この結果、 1)IAPに関連する低分子RNAがBLG-Genicl^<k/k>で変化していたが、IAP以外のレトロトランスポゾンに関連する低分子RNAについては、大きな差は見られなかった。これは、脊髄におけるIAPの過剰発現は、低分子RNAの発現が関与している可能性を示唆している。 2)髄鞘形成に関わるmiRNAが変化していた。 3)これらのmiRNA以外の低分子RNAの発現もゲノムワイドに変化していた。 2.IAPの異常発現と髄鞘形成不全および致死性との関係 23年度に作成した、IAPに対するshRNAを恒常的に発現するトランスジェニックマウスの解析を行った。shRNAを発現するBLG-Genicl^<k/k>の新生仔脊髄では、IAP発現の抑制は見受けられず、また髄鞘形成もレスキューされなかった。しかし胎生期のトランスジェニックマウスの体全体でのIAPの発現は有意に低下しており、shRNAの効果が見られた。また、N数は少ないが、BLG-Genicl^<k/k>の致死性は、これらのshRNAの発現により低下していた。これにより、IAPの過剰発現が致死に関わっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代シークエンサーによる低分子RNAの解析は、個体間での再現性も良く、実験的に成功したと考えられる。ただし、annotationやマッピングなどの解析に時間がかかっている。レンチウイルスを用いた、野生由来マウス系統のトランスジェニックマウスの作出は挑戦的な試みであったが、予想よりも早く完成した。現時点では、脊髄でのIAPの抑制効果を確認できていないが、解析自体は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、発現変化を起こしている低分子RNAの同定を行っているが、大量の配列データの取り扱いが困難である。従って、来年度からは、バイオインフォマティクスの専門家に意見を求める予定である。これにより、BLG-Genicl^<k/k>のIAPの過剰発現および、髄鞘形成不全のメカニズムに迫れると考えられる。また同時に、ゲノムワイドに生じている新たなエピジェネティック異常を検出することが可能と考えられる。 IAP異常発現の解析については、shRNAを発現するトランスジェニックの致死性に焦点を絞って解析をすすめる予定である。
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Research Products
(1 results)