2011 Fiscal Year Annual Research Report
世界最初の触媒機能を有する酵素型亜鉛フィンガー蛋白質の創出
Project/Area Number |
22651085
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
杉浦 幸雄 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (40025698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根木 滋 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (50378866)
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Keywords | 亜鉛フィンガー / DNA認識 / DNA切断 / 触媒機能 / 加水分解 / 酵素類似 / 機能変換 / 分子設計 |
Research Abstract |
本研究においては、天然亜鉛フィンガータンパク質の構造型亜鉛を機能型亜鉛に変換して、世界最初の触媒機能を有する酵素型亜鉛フィンガータンパク質を設計・創出することを目指している。 平成23年度は、新しく創製したHis4型人工亜鉛フィンガータンパク質のDNA塩基配列選択的切断を明らかにするため、天然3フィンガードメイン間にHis4亜鉛フィンガードメインを挿入した7フィンガータンパク質を遺伝子工学的に作製した。この新規亜鉛フィンガータンパク質を用いて、GCボックスDNAとランダム配列DNAに対する切断反応を詳細に追究したところ、顕著にGCボックスDNAに対する切断が促進されており、配列選択的なDNA切断が認められた。本結果は、亜鉛フィンガーを利用した任意の配列を切断できる人工制限酵素の創製に大きな可能性を与えていると考えられる。また、3フィンガードメイン間にセリウム結合ペプチドを挿入した新規亜鉛フィンガータンパク質の設計・創製についても順調に展開されている。他方、新規亜鉛フィンガータンパク質のプロテアーゼ様機能については、自己分解のため計画通りには進展していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請の段階で目指していた新規His4型亜鉛フィンガータンパク質による塩基配列選択的なDNA切断に関しては、期待通りの研究成果が得られているが、プロテアーゼ様機能に関しては、タンパク質自身が攻撃を受けるため、目下、その防止策を練っている。
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Strategy for Future Research Activity |
構造型亜鉛から機能型亜鉛への変換に成功し、目的とした触媒機能を有する亜鉛フィンガータンパク質を創出し、加水分解的にDNAを切断することを示した。今後は、より効率的に機能を持つタンパク質のデザインに励むとともに、ペプチド核酸を基質としてプロテアーゼ様機能の証明や新しいセリウム部位を導入した亜鉛フィンガータンパク質を設計・創製し、そのDNA加水分解について検討する予定である。
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