2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22653077
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小島 治幸 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (40334742)
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Keywords | 発達障害 |
Research Abstract |
目的:自閉症者(児)の主要な障害特徴として,「視線を合わせないこと」「こだわり」「発話の乏しさ」などが挙げられている。その一方で、自閉症者は物の形態の細部や特定の言葉(単語)の記憶が良いことなども報告されている。これらのことは、自閉症者が一般の人々とは異なる方略で対象認知を行っていることを示唆している。もしそうであれば、そのような対象認知課題を行う際の処理方略の違いは脳活動の違いとなって顕在化している可能性がある。このため、本研究では、一般データを得るために、健常者を対象として対象認知課題施行時の脳活動の測定をおこなった。 方法:言語、有意味図形、無意味図形を刺激としてその弁別課題中の脳活動を計測した。言語刺激の弁別課題は、いちご、ゴリラ、自転車など一般対象を表す文字刺激を継時的に2つ呈示し、それらの同異を判断する課題であった。有意味図形の場合、刺激はいちごやゴリラの簡単な線画であり、無意味図形では無意味な模様のような線画図形を用いた。そして、刺激画像(文字)は左右視野の何れかに呈示し、これらの課題を実行中に、脳血流を近赤外分光法測定装置(Near-Infrared Spectroscopy:NIRS)によって被験者の後頭葉領域の測定した。21名学生(全員右利き)から有効な課題遂行成績と脳血流データを得た。 結果:それぞれの課題遂行中の脳血流の活性の程度を左右半球で比較したところ、言語と無意味図形では左視野に刺激を呈示したときの方が右視野に呈示したときより両半球で活性化は大きかった。しかし有意味図形では逆に右視野刺激のときの方が左視野刺激より活性化が大きかった。
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