2010 Fiscal Year Annual Research Report
ライフレビューによる高齢期学習プログラムの開発と生涯発達過程の分析
Project/Area Number |
22653095
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井山 竜平 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (30304702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 道代 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60312526)
松本 大 東北福祉大学, 総合福祉学部, 助教 (50550175)
内藤 隆史 東北大学, 大学院・教育学研究科, 助教 (90322982)
細川 彩 仙台青葉学院短期大学, キャリアデザイン学科, 講師 (00451500)
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Keywords | ライフレビュー / 高齢者 / 社会教育 / 生涯発達 / 生涯学習 / 自分史 |
Research Abstract |
本研究は、高齢者を対象としたライフレビュー(自らの人生の一部を語り合い、振り返る)講座を、地元社会教育施設との協働のもと実施し、そこでの語りや、書かれた記録をとおして、高齢期の特性を探ろうとする、アクションリサーチである。 本年度は引き続き、仙台市片平市民センターとの共催事業として、シニア対象の「自分誌」講座を実施(10月15日~3月31日、全14回)。講座を通して執筆された各人の自分誌をまとめた『臥竜梅第2号』を発刊(2011年4月)した。 前年度の経験をもとに、募集の方法やスケジュール、受講にあたってのルール、ファシリテーターの働きかけなどが改善されての実施であり、前年度に比較してスムーズな展開が実現できた。また、受講生の皆さんとの協議のもと、講座のテーマを「自分史」から「自分誌」に変更した。あえて史的な記述の仕方にこだわらず、自由に"志を言う"というのがその趣旨である。それによって、成果物には、先行事例にはあまり見られない、より自由な「自分の語り方」が多々現れるなど、語りの質の深まりが見られた。 こうした講座運営上のノウハウの精査とともに、とくに今年度は、(1)高齢世代が「自分を語る」意味の男女別での特性、(2)高齢世代における父親・母親との関係の世代的特性、などが浮き彫りになった内容であった。また、二年度継続での参加者の「自分を書く」ことの意味の変容をとらえることができたことも収穫であった。
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