2011 Fiscal Year Annual Research Report
ライフレビューによる高齢期学習プログラムの開発と生涯発達過程の分析
Project/Area Number |
22653095
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井山 竜平 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (30304702)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 道代 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60312526)
松本 大 東北福祉大学, 総合福祉学部, 助教 (50550175)
内藤 隆史 東北大学, 大学院・教育学研究科, 助教 (90322982)
細川 彩 仙台青葉学院短期大学, キャリアデザイン学科, 講師 (00451500)
|
Keywords | ライフレビュー / 高齢者 / 社会教育 / 生涯発達 / 生涯学習 / 自分史 |
Research Abstract |
本研究は、高齢者を対象としたライフレビュー(自らの人生の一部を語り合い、振り返る)講座を、地元社会教育施設との協働のもと実施し、そこでの語りや、書かれた記録をとおして、高齢期の特性を探ろうとする、アクションリサーチである。 本年度も、仙台市片平市民センターの共催事業として、シニア対象の「自分誌」講座を実施(11月10日~4月15日、全15回)。講座を通して執筆された各人の自分誌をまとめた『臥竜梅第3号』を発刊(2012年3月)した。震災の影響により前期は施設(仙台市片平市民センター)が休館しており、施設再開を待っての開講となった。 三年目となるこのたびの講座は、東日本大震災の影響もあってか、これまで以上に、お一人お一人の自己開示が大きいことが特徴だった。ほとばしり出るようにご自身を開示される、その思いや力に圧倒される、そういう時間が何度かあった。そのため、このたびの文集をつくるにあたっては、できるだけ制限をかけないかたちをとった。結果、このたびの文集は、震災経験がいかなる学習経験であるのかが大きく記録された内容に仕上がった。 回を重ねてきたことで、このたびは、受講を重ねてきた方と、初めて参加された方とが混じり合う(先輩・後輩の関係が現れる)段階を迎えた。また、3年前の開始当初は、受講生の皆さんからの自己開示に対する躊躇が強く、プログラムが円滑に進まない場面もあったのに対し、このたびは講座終了間際に受講生の方々から口々に「ここは私たちの夜間学校」という言葉をいただくなど、この場が、参加者にとって大事な場に発展・定着してきたことを実感することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震災の影響が大きかったものの、当初計画していた講座は予定通り遂行し、講座の内容にも成長があり、おおよそ計画通りに進んでいると判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度には以下の取り組みを計画している。 ・第4回のライフレビュー講座の実施。および、4年間の取り組みの検証。講座経験者へのインタビュー調査。 ・学習方法としてのライフレビューをめぐる公開型シンポジウムの開催。 ・ライフレビュー講座の韓国での実施にむけての協議。
|