2011 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーアブレーション法を利用したプラズモン増強光触媒の作製と評価
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22655043
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
橋本 修一 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70208445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇和田 貴之 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 客員研究員 (30455448)
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Keywords | レーザーアブレーション / チタノシリケート / プラズモン増強 / ゼオライト / 光触媒 |
Research Abstract |
酸化チタンに金ナノ粒子を包埋することで可視光励起を目指し、ゼオライト型結晶にすることで選択的分子吸着を目論む、従来以上の高効率光触媒反応を目的とした金ナノ粒子担持チタノシリケート結晶作製を試みた。まず、韓国Sogang大のKyung ByungYoon教授に助力を仰ぎ、チタノシリケート結晶ETS-10の作製手法を習得した。Tiソースとしてチタンイソプロポキサイドに硫酸を加えて加水分解したTiO2ナノ粒子を用い、Siソースとしてケイ酸ナトリウムにNaOHを加えたものを混ぜ、沸騰させた。沸騰時間を変化させることにより結晶サイズを1~5μmの範囲で制御できた。続いて、このETS-10結晶合成過程での金ナノ粒子の担持を試みた。メルカプトプロピオン酸を保護剤とする直径3nm程度の金ナノ粒子存在下で上記のETS-10結晶化を行ったところ、金ナノ粒子の孤立分散した状態でめ包摂を示唆するピンク色に着色した結晶が得られた。現在、共焦点レイリー散乱顕微分光およびTEMによるEST-10内の金ナノ粒子の分散・凝集状態解析、その反映である光学特性の評価のため拡散反射分光測定、プラズモン共鳴に基づく可視光照射による光電流発生を確認するため薄膜化しての光電流アクションスペクトル測定、以上の三種一組の特性評価に取り組んでおり、程なくして総括に至る状況にある。この、通常手法の発展によるETS-10結晶への金ナノ粒子包摂に想定以上の時間を要したため、レーザーアブレーションを用いてETS-10原料ゲル内に金ナノ粒子を安定に分散させることで安定な金ナノ粒子包摂ETS-10結晶を作製するアプローチは未だ途上にある。レーザーパワー、レーザー波長、照射時間、および原材料比の調整、界面活性剤の添加によって、チタノシリケートの結晶性、含まれる金ナノ粒子の濃度およびサイズ、粒子間距離、金ナノ粒子凝集の多寡を調節できる汎用的ハイブリッド材料作製法となりうる可能性を秘めているため、今後、引き続き条件出しを進め方法論の確立を目指したい。
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Research Products
(4 results)