2011 Fiscal Year Annual Research Report
環状DNAのプログラマブルナノメッキによるメタマテリアルの創製
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22655059
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (90221762)
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Keywords | DNA / 自己組織化 / メッキ / メタマテリアル / 微細加工 |
Research Abstract |
本研究の目的は、独自の環状構造を有するDNAを塩基選択的に金属化することで負の屈折率を持った物質であるメタマテリアルを自己組織化的に作製することである。これまでミリ波や赤外線を対象にしたメタマテリアルが作られてきたが、微細加工限界のため可視光に対して負の屈折率を持つ構造は作れなかった。本提案では酵素合成した環状二重らせんDNAを部分的に金属化することで、理論的に可視光に負の屈折率を持つと予測されるsingle split-ring resonators(SSRRs)のサイズを制御して作製できる技術を確立するとともに、ラングミュアー・ブロジェット法による三次元積層構造の構築をめざす。 具体的には以下の3つの研究項目に従って研究を進めている。研究項目I.(研究計画)酵素反応によりサイズが制御された環状DNAを作製する。研究項目II.(研究計画)塩基配列に応じて部分金属化を行い、SSRR単位素子を作製する。研究項目III.(研究計画)得られたSSRR単位素子を基板に配列・固定化して三次元集積を図る。 本年度は昨年度に引き続き、研究項目IとIIを行った。その結果、収率は悪いものの、環状物DNAを合成することに成功した。また、研究項目IIにあるシスプラチンの塩基配列に応じた結合ならびに部分金属化について、新たな知見が得られた。これにより、環状DNAの部分金属化について予備的な実験結果を得ることができた。しかしながら、固体基板に固定化した環状DNAの構造は歪んだ円形であるため、このままではSSRRsの機能を得ることができないので、改善を急ぐ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
環状DNAの作製方法の開発に予想以上にかかったためである。しかしながら全体としては当初の実施計画から遅れてはいるものの着実に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
全体的に遅れてはいるものの、大きな障害はないので、今後も実施計画通りに研究を進める。
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