2010 Fiscal Year Annual Research Report
機能性核酸導入細胞転写技術を用いた癌細胞浸潤評価チップの開発
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22656189
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長棟 輝行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
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Keywords | 細胞マイクロアレイ / 癌細胞 / 浸潤 / 細胞転写 / PEG脂質 / コラーゲンシート / MMP / FRET |
Research Abstract |
悪性化した癌は、組織内を「浸潤」して血管内に到達後、全身に転移して患者の命を奪う。従って、浸潤抑制法の確立が癌治療における喫緊の課題である。近年、癌の浸潤に多くの遺伝子が関与することが報告されており、対象とする癌細胞ごとにその浸潤を効果的に抑制するためのターゲット遺伝子を絞り込む技術が必要である。そこで、本研究では、様々なcDNAプラスミドやsiRNAを導入した癌細胞のアレイをコラーゲンシート上に転写し、シート上での浸潤を網羅的に解析するための技術の開発を行った。 H22年度は、癌細胞のマイクロアレイをコラーゲンゲル上に転写する条件の最適化を行った。自動スポッターを用いてPEG脂質のドット状パターンをガラス基板上に調製し、その上にヒト子宮頸癌HeLa細胞を固定化した後、I型コラーゲンから成るシートに転写した。細胞をガラス基板上からコラーゲンシートに移す際の細かい条件を最適化することにより、高効率に細胞アレイを転写できるようになった。その成果を論文にまとめて、現在投稿中である。さらに、PEG脂質表面上で核酸を細胞にリバーストランスフェクションする条件の最適化も行った。これより、核酸を導入した細胞のマイクロアレイをコラーゲンゲルシートに転写する技術が確立した。 癌細胞の浸潤を網羅的に可視化するために、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)による切断を可視化できる蛍光プローブの開発も行った。MMPの基質配列の両端に蛍光色素と消光剤とを修飾し、MMPによる切断前には蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によって消光しているが、切断後にはFRETが解消して蛍光を発することを試験管画内で確認した。また、高浸潤性の癌細胞HT1080によってプローブが切断され、蛍光検出できることも示された。
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