2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22657045
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 茂 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (50311303)
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Keywords | 癌浸潤 / 癌幹細胞 / マクロファージ / 乳癌細胞 / 細胞間融合 / Arf6 / GEP100 / AMAP1 |
Research Abstract |
本研究は、Arf6を中心とした癌浸潤・転移に特化した分子装置が癌細胞と骨髄由来細胞との細胞間融合による浸潤・転移形質獲得に関与するか否かについて検討し、その分子機序の解明を目的とする。本研究期間において、同種細胞間融合を検討する条件として、癌細胞についてはMDA-MB-231細胞の通常培養、骨髄由来細胞としてマクロファージ細胞RAW264.7をRANKL刺激することによって誘導される実験系を構築した。各細胞にVenus(blasticidin耐性遺伝子)及びmCherry (hygromycin耐性遺伝子)の2種類の構築を導入した細胞を用いて、細胞融合を誘導した後、融合細胞群及び、非融合細胞群の検出をFACSにより解析を進めた。これまでに、低酸素下やある種のサイトカイン添加等によってMDA-MB-231細胞の同種細胞間融合効率が上昇することを見出している。これらの条件がMDA-MB-231細胞の浸潤形質誘導に関与することからGEP100-Arf6-AMAPI経路の活性化との関連が示唆された。現在、これらの細胞でArf6、GEP100、AMAP1遺伝子を抑制した場合あるいは、強制的に発現させた場合における、細胞融合効率に与える影響を現在検討中である。骨髄由来細胞と癌細胞との異種細胞間融合を検討する為の実験系として、骨髄由来細胞として、既に入手済みのMMTV~NeuTマウスから採取した癌関連マクロファージ(tumor-associated macrophage (TAM))と、腫瘍組織から採取した癌細胞を用いる。各々の細胞のラベルは前述の2種類の遺伝子をウイルスベクターによって遺伝子導入する実験系を構築し、TAMあるいは、乳癌細胞において、Arf6、GEP100、AMAPI遺伝子の抑制あるいは、強制的に発現させた場合の細胞融合効率に与える影響及び、in vitroでの浸潤活性に与える影響を検討している。
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