2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸化LDLを認識する新規GPCRのリガンド同定とその動脈硬化進展における役割
Project/Area Number |
22659013
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 淳賢 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20250219)
|
Keywords | リゾホスファチジン酸 / 受容体 / 産生酵素 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
酸化LDLは動脈硬化の発症・進展を支配する重要な因子であり、培養細胞レベルで様々の細胞応答を引き起こす。我々は、最近Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の1つ(GPRX)が酸化LDLに応答することを見出した。GPRXは当研究室で独自に確立したGPCRシグナル検出系を用いて約120種類のGPCRのスクリーニングから同定されたものである。本研究では、MRG Zが動脈硬化巣の発症・進展に関与するかを検討するとともに、動脈硬化のバイオマーカーとしてのMRG Zリガンドの同定を目指している。研究初年度にあたる本年度はGPRXのリガンド同定とトランスジェニック(TG)マウスの作成を行った。 (1)GPRXリガンドの同定酸化LDLのどの画分に反応成分があるかを液液分配により検討したところ、GPRXは酸化リン脂質画分に強く反応することがわかった。逆相液体クロマトグラフィーによるさらなる反応分画の精製を試みたが、反応成分の同定には至らなかった。そこで、約20種類のリン脂質を酸化させ、GPRXの反応性の変化を検討したところ、ある特殊な脂肪酸鎖を持つリン脂質(Lipid Y)により強く活性化されることがわかった。この酸化混合物を逆相クロマトグラフィーで分画したところ、脂肪酸鎖の酸化が進んだタイプの酸化Lipid Yが反応成分であることがわかった。 (2)GPRXのTGマウスの作成Creマウスとの交配により、GPRXを発現するTGマウスを作成した。得られたTGマウスのうち、発現量の異なる3系統について生殖系列へ受け継がれることを確認した。現在、種々のCreマウスと交配を進めている。
|
Research Products
(6 results)