2011 Fiscal Year Annual Research Report
ランダムププチドライブラリーへの血中抗体反応性評価による免疫疾患発症予測法の開発
Project/Area Number |
22659057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高井 俊行 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (20187917)
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Keywords | マイクロアレイ / ランダムペプチド / 予防診断技術 / 自然抗体 / プロファイリング |
Research Abstract |
【研究目的】外的因子および内的な自己組織に対する免疫応答の履歴と生理的変化,即ち「免疫履歴」を簡便,客観的に評価する手段は乏しい上,免疫履歴を個体の免疫機能の評価や,疾患発症の予測とリンクさせた研究は乏しい。本研究では,免疫履歴を血中抗体の反応性を網羅的に把握することで簡便に評価する基盤技術を構築し,これを免疫疾患発症の予測に応用することを目的とする。 【実施内容】血中抗体の反応性をマイクロアレー解析により定量化し,自己免疫疾患の発症前および発症過程でこのパラメーターがどのように変化するかを調査する基盤となる研究を進める。平成23年度は平成22年度の成果を踏まえ,血中抗体のソースであるヒトB細胞のコンパートメントに関する解析を行った。具体的には2011年にJ.Exp.Med.誌において報告のあったB1細胞とB2細胞のフローサイトメーターによる分画,ならびみ表面マーカーの解析を進めた。 【成果】ヒト末梢血からCD20,CD27,CD43発現を指標としてごくマイナーな分画であるB1細胞の集団を分取できることが分かった。ただしこれはヒト末梢血B細胞集団の1%にも満たないごく少数の集団からなるものであった。しかしながら興味深いことにこの集団は前記マーカーの発現のみならずB2細胞と異なる抑制系レセプターLilrB発現プロファイルを示すことが示唆され,さらにこれが末梢血単球のLilrB発現プロファイルとも異なる傾向にあった。 【成果の重要性と意義】血中抗体のソースであり,また自己反応性抗体のソースともなり得るB細胞のうち,マイナーなB1細胞集団の分画ができるようになり,B1細胞とB2細胞の自然抗体産生に関する抑制機構の相違を示唆する知見が得られた。今後のエピトームという概念の確立に向けて重要な成果である。
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Research Products
(10 results)