2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659061
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
三谷 幸之介 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10270901)
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Keywords | 相同組換え / iPS細胞 / ウイルスベクター / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究では、ヒトiPS細胞を利用した遺伝病の遺伝子修復治療への治療応用を目指し、細胞操作過程での変異の蓄積等を最低限にするために、ヘルパー依存型アデノウイルスベクター(HDAdV)を用いた高頻度相同組換え法を用いて、ヒトiPS細胞の誘導と誘導されたiPS細胞からの相同組換え体の樹立を同一ディッシュ上で可能にする方法論を確立することを目標とする 平成22年度においては、Nanog-GFPマウス由来胎児線維芽細胞(MEF)並びにIL2受容体γ鎖(mIL2RG)遺伝子欠損マウス由来のMEFに山中4因子または3因子をコードしたレトロウイルスベクターを感染させ、標準法に従い、iPS細胞クローンを複数クローン得た。これらのクローンに関しては、未分化細胞特異的細胞表面マーカーによる免疫染色、bisulfite sequencingによるOct3/4遺伝子プロモーター部位の脱メチル化、レトロウイルスベクターのサイレンシングなどを調べることにより、iPS細胞であることを確認した。次に、マウスiPS細胞における相同組換え法を至適化するために、ウイルスの量を変えて、正常なmIL2RGをコードした遺伝子修復HDAdVを感染させた。ウイルスの量は、細胞あたり10^4ウイルスゲノムコピーが至適で、それより高いと細胞に対して強い毒性が見られた。その結果、blasticidin耐性/ガンシクロビル耐性の二重耐性細胞コロニーの4因子では15.4%、3因子では13.0%において、相同組換えによってIL2RG座が修復されていることが明らかとなった。今後、HDAdV感染・相同組換え条件を更に至適化した後、iPS細胞誘導とHRを同時に行うプロトコールに取り組む予定である。
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