2010 Fiscal Year Annual Research Report
好塩基球のプロテアーゼアレルゲン・センシング機構の研究
Project/Area Number |
22659096
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
瀧 伸介 信州大学, 医学系研究科, 教授 (50262027)
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Keywords | 免疫学 / アレルギー / 好塩基球 / サイトカイン / Th2 |
Research Abstract |
好塩基球のIL-4産生を誘導するプロテアーゼアレルゲン、パパインに対するセンサーのシグナル伝達について、FcRγ欠損マウス由来好塩基球にITAMを欠く変異FcRγを導入した場合には、野生型FcRγを導入した場合のようなパパイン反応性の回復が見られず、また野生型好塩基球にドミナントネガティブ型変異Sykを導入した場合にはパパイン反応性が低下したことから、確かにパパインセンサーのシグナル伝達にはITAM-Syk経路が関与していることが明らかとなった。好塩基球の発現するFcRγ-assocoiated receptorには様々なものがあると考えられるが、そのうちFcεRIのパパインセンサーとしての機能を検討した。FcεRIβ鎖を欠損するマウス由来の好塩基球はFcεRIを細胞表面に発現できない。この好塩基球のパパイン応答性は、野生型好塩基球に比較して約50%に低下していることが見いだされた。従って、FcεRIはパパインセンサーとしての機能を持つが、FcεRI以外の分子もまたパパインセンサーとして機能していること、すなわち好塩基球は複数のセンサーを用いてプロテアーゼアレルゲンの情報を感知していることが明らかとなった。通常、好塩基球が発現しないCD8分子の細胞外および膜貫通部をFcRγ鎖細胞内部分と融合させた分子を作成し、FcRγ欠損好塩基球に導入したところ、パパイン処理によるIL-4産生がわずかながら回復した。このことは、パパインセンサーは特定の分子ではなく、何らかの構造的特徴(現時点では不明であるが)を共有する一連の分子群によってその機能が担われているものと考えられる。
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[Journal Article] Critical role of Th17 cells in inflammation and neovascularization after ischaemia2011
Author(s)
Hata T, Takahashi M, Hida S, Kawaguchi M, Kashima Y, Usui F, Morimoto H, Nishiyama A, Izawa A, Koyama J, Iwakura Y, Taki S, Ikeda U
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Journal Title
Cardiovasc Res
Volume: 90
Pages: 362-372
DOI
Peer Reviewed
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