2010 Fiscal Year Annual Research Report
高感度次世代抗体チップ開発のためのタグ付抗体産生マウスの作製と抗体機能の検討
Project/Area Number |
22659116
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
古元 礼子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70311818)
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Keywords | 蛋白チップ / 組み換え抗体 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
本研究の目的はマレイミド基導入ダイアモンド様表面加工基板(DLCマレイミド基板)にオリゴシステインタグ(Cys-タグ)付蛋白を結合させる技術を利用し、産業的に大きな波及効果が期待できる抗体チップの開発を行うことである。この目的の達成のために、今年度は以下の研究を行った。 1.組み換え型抗体蛋白へのCys-タグの導入 抗体蛋白である免疫グロブリンIgGは重鎖と軽鎖が2分子ずつ重合した4量体で、抗原認識部位は遺伝子組み換えによる多様性がある。IgG重鎖遺伝子のC末端部にCys-タグを付加した組み換え蛋白発現ベクターを構築し、培養細胞系で組み換え型Cys-タグ付IgG重鎖がIgG軽鎖と重合するか検討を行った。 1)抗ヒスチジンタグ(ヒスタグ)マウスモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを樹立した。 2)このハイブリドーマからIgG重鎖とIgG軽鎖の遺伝子を5'-RACE法でクローニングした。 3)得られたcDNAでCys-タグ付IgG重鎖発現ベクターとIgG軽鎖発現ベクターを作製した。 4)3)のIgG重鎖発現ベクターとIgG軽鎖発現ベクターを共にCOS7細胞にトランスフェクションし、培養上清からプロテインGカラムでIgG分画を回収した。 5)回収したCys-タグ付IgGについて、Native-PAGEとウェスタンブロッティングを行い、分子量160万の位置にバンドを確認した。陽性コントロールのハイブリドーマから産生される抗ヒスタグ抗体とほぼ同じ位置にバンドを確認したので、組み換え型Cys-タグ付IgGは4量体を形成していることが証明された。 2.Cys-タグ付抗体産生遺伝子改変(ノックイン)マウスの作製 Cys-タグ付抗体産生マウスは様々な抗原に対するCys-タグ付モノクローナル抗体を効率的に生産するために必須である。よって、IgG1重鎖のC末端部にCys-タグ配列を挿入したノックインマウスを作製する。 1)ターゲティングベクターの構築:マウスIgG1重鎖ゲノムの第7エクソンにあるストップコドンの直前にシステインの繰り返し配列を挿入し、第7エクソンのpolyAサイトから約0.5kb下流にloxPサイトではさまれたネオマイシン耐性カセットを挿入したターゲティングベクターを作製した。 2)ターゲティングベクターのマウスES細胞への導入を行った。
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Research Products
(2 results)