2011 Fiscal Year Annual Research Report
高感度次世代抗体チップ開発のためのタグ付抗体産生マウスの作製と抗体機能の検討
Project/Area Number |
22659116
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
古元 礼子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70311818)
|
Keywords | 蛋白チップ / 組み換え抗体 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
本研究の目的はマレイミド基板マレイミド基板にCys-タグ付蛋白を結合させる技術を利用し、産業的に大きな波及効果が期待できる抗体チップの開発である。この目的の達成のために、今年度は以下の研究を行った。 1.組み換え型Cys-タグ付抗体の作製とマレイミド基板への固定 (1)細胞培養ディッシュにCOS7細胞を播種し、IgG重鎖発現ベクターとIgG軽鎖発現ベクターをトランスフェクションした。 (2)トランスフェクション後、3日目で培養上清を回収し、ProteinGによるアフィニティークロマトグラフィーで組換え型抗体を回収した。 (3)抗体溶液をマレイミド基板にスポッティングで固定し、蛍光標識抗マウスIgGで検出した。 (4)通常の細胞培地で調製した組換え型IgGはCys-タグの有無に関わらず検出が困難であった。 (5)培地のウシ血清由来のIgGの混入により、基板への固定に支障が生じたと考えられたので、無血清培地で組換え抗体の作製を行った。 (6)無血清培地で作製できた抗体の量は培地1Lあたり100μg程度であった。ハイブリドーマが培地1Lあたり24mgの抗体が回収されたのと比較して、極めて微量であることが分かった。よって、研究の遂行のためにはタグ付抗体の大量生産システムの開発が必須の技術課題であることが明確になった。 2.Cys-タグ付抗体産生遺伝子改変(ノックイン)マウスの作製 (1)マウスIgGl重鎖ゲノムのストップコドンの直前にタグ配列を挿入したターゲティングベクターをES細胞に導入し、Balb/cマウスの胚盤胞にマイクロインジェクションし、キメラマウスを作製した。 (2)キメラマウスとC57/BL6マウスとを交配し、Flマウスを作製した。 (3)FlとCre-マウスを交配させ、NeoR遺伝子を除去した。 (4)さらにC57/BL6と交配させ、Cre配列を除去し、ヘテロ接合体を作製した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間内の目標であった、タグ付抗体の構造と機能の保持について、組換え型タグ付抗体を培養細胞系で作製し確認できた。タグ付抗体大量生産システムの確立のために必須である遺伝子改変マウスの作製も予定どおり進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.タグ付抗体大量生産システムの開発 1)Cys-タグ付IgG重鎖産生遺伝子改変マウスホモ接合体の作製 2)各種タグ付抗体産生ハイブリドーマの樹立 ※研究成果有体物として、随時特許出願予定 2.ハイブリドーマ由来Cys-タグ付抗体を用いた抗体チップの作製 1)マレイミド基板への固定条件の検討 2)抗原検出反応の検討 3)Cys-タグ付抗体チップの優位性の証明
|