2010 Fiscal Year Annual Research Report
On-siteプロテオミクスによるIgA腎症・膜性腎症の抗原同定と発症機序解明
Project/Area Number |
22659165
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
許 波 新潟大学, 医歯学総合研究科, 研究員 (70463982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 格 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30092737)
張 エイ 新潟大学, 医歯学総合研究科, 研究員 (00529472)
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Keywords | IgA腎症 / 膜性腎症 / プロテオミクス |
Research Abstract |
IgA腎症と膜性腎症は免疫複合体の形成などに深く関わっていると考えられているが、その抗原についてはまだ不明な点が多い状況である。本研究はこれらの腎症に関連する抗原を同定し、上記の腎症の発症機序を明らかにすることを目的とした。我々は各協力機関からIgA腎症・膜性腎症の症例サンプル(凍結標本およびホルマリン固定標本)を集めることができました。10μ厚さの切片をしたうえ、前処理を行った後、レーザーマイクロダイセックション(LMD)を用いて、切片から糸球体を切り出し、アイソレーションキャップで回収し、更に当研究室で開発したOn-siteプロテオミクス法を利用して、収集した糸球体標本からトリプシンによる消化したペプチドを直接Agilent 6300 Series Ion Trap LC-MSで質量分析を行った。正常群糸球体MS情報と病態糸球体MS情報をNonlinear社LC-Progenisisで解析し、これらのMS情報の差異を見つけ出す操作を行っていた。この差異のあるペプチドMS情報に基ついてターゲットMS解析(決めたペプチドについてMS/MS測定を行うこと)で、一部タンパク質が同定された。これらのタンパク質はIgA・膜性腎症群の病因抗原物質の可能性が高いと考えられていた。 この段階の研究結果は基本的に正常群と疾患群糸球体MSおよびMS/MS測定結果である。これからIgA・膜性腎症に関わる病因抗原物質の研究を展開する基礎データになる。LMDで取れた糸球体標本からこれまでのプロテオーム解析方法と比べ、より多くのタンパク質情報を得られることができた。この情報がIgA・膜性腎症に関連する抗原の同定に欠かせないデータベースになっている。
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Research Products
(6 results)