2010 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の大脳皮質における機能的結合性についての総合的脳画像研究
Project/Area Number |
22659210
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
橋本 隆紀 金沢大学, 医学系, 准教授 (40249959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 達也 金沢大学, 附属病院, 講師 (10334773)
村上 雅子 金沢大学, 医学系, 助教 (20324072)
菊知 充 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (00377384)
植田 文明 金沢大学, 附属病院, 講師 (80293356)
関原 謙介 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (40326020)
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Keywords | 統合失調症 / オシレーション / 脳磁図 / 認知機能 / 陽性症状 / 陰性症状 / 解体症状 |
Research Abstract |
本年度は、平成22年度に確立した脳磁図による脳活動の計測条件および解析法、コンピュータによる自動計測システム(Cambridge Neuropsychological Test Automated Battery,CANTIB)とウェクスラー記憶検査法の言語性対連合記憶課題による認知機能評価系、そしてPositive and Negative Symptom Scale-Extended(PANSS-E)を用いた統合失調症臨床症状評価系を用いて、実際の被験者にて脳活動の計測及び認知機能と症状の評価を行った。被験者は、統合失調症患者3名および性別、年齢、利き手、教育年数がほぼ等しい健常者3名を用いた。 その結果、統合失調症患者のPANSS-Eの平均は、陽性症状13、陰性症状19、解体症状7、興奮症状6、抑うつ不安症状13、その他の症状16であった。これらの統合失調症患者では、CANTABによる認知機能検査において、健常者に比べ、反応時間が長く、迅速視覚情報処理の精度が低く、セットシフト課題・空間作業記憶課題・視覚対連合記憶課題におけるエラーが多い傾向が認められた。また言語性対連合記憶課題でも、統合失調症患者は即時及び遅延再生ともに、正解数が低い傾向が認められた。 これは、統合失調症患者では、運動調節、視覚情報処理、作業記憶、学習などの広汎な認知機能に低下が認められることを示しており、今後の研究で例数を増やすことで、脳磁図による皮質領域間の同期性との相関関係を調べるための基礎データとして意義あるものである。
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Research Products
(10 results)