2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659310
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横尾 誠一 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (20345052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 英貴 (財)癌研究会, 附属病院眼科, 眼科部長 (50282554)
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Keywords | 幹細胞 / 組織幹細胞 / 未分化性 / 角膜輪部シート / 無血清 |
Research Abstract |
眼表面原発性の腫瘍の入手が困難であった。そのため細胞株の検索を行ったが、細胞株も無い。そのため将来コントロールデータとなる正常角膜上皮幹細胞のデータを蓄積するべき種々の検討を行った。 角膜上皮に増殖効果が報告されている増殖因子を検討したところ、EGFの他に、腫瘍増殖因子α(TGFα)、肝細胞増殖因子(HGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)が角膜上皮の増殖に効果が位著しいことが判明した。特にEGF,KGF,TGFαにおいては三週間の培養で角膜上皮組織の作製まで可能であった。これらの増殖因子のうち、EGFのみの添加で角膜上皮様組織を作製した場合、角膜輪部上皮に発現が認められる未分化マーカー候補、サイトケラチン15(CK15)などの発現が見られないことが判明した。 増殖した角膜上皮形態はEGfではやや扁平化しているが、KGF添加のみで作製した角膜上皮様組織は基底細胞が円柱状である。そこで未分化マーカーCK15の検討を行ったところ、KGFのみを添加した培養液で作製した角膜上皮様細胞シートは、角膜輪部に発現している未分化マーカーCK15の発現が見られるようになった。他の未分化マーカー候補も検討したところ、EGF添加が培養した幹細胞由来角膜上皮シートでは、一切発現が見られず、KGFの添加によってp63,P75NTR,N-Cadをはじめ、様々な未分化マーカーの発現が見られた。これらの結果より、上皮幹細胞の未分化性の維持や発揮にKGFが強く関与していることが考えられる。またこれらのマーカー発現の事実より、無血清・無フィーダー培養条件でKGFの添加により、角膜上皮細胞シートではなく、より移植に適した角膜輪部上皮細胞シートが作製可能となった。
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Research Products
(11 results)