2011 Fiscal Year Annual Research Report
人工多能性幹(iPS)細胞の間葉系幹細胞を経由した骨芽細胞への分化誘導法の確立
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22659370
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20200214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 宏和 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50282190)
玉谷 哲也 徳島大学, 病院, 講師 (30274236)
内田 大亮 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20335798)
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Keywords | 再生医療 / iPS細胞 / 骨 |
Research Abstract |
口腔外科領域では、外傷や腫瘍の治療の結果として顎骨が欠損することが多く、その再建方法が大きな課題となっている。iPS(induced Pluripotent Stem)細胞は生体の全ての細胞に分化可能で、骨の再生・再建への応用が期待されている。しかし、iPSを効率よく骨芽細胞へ分化させるプロトコールは未だ開発されていない。本研究では、iPS細胞を、一旦、開葉系幹細胞に分化させ、次いで間葉系幹細胞を純化・増殖させた後に、骨芽細胞に分化させることによって効率のよい骨芽細胞への分化誘導法の確立を目的としている。前年度の研究で、TGF-β(20ng/ml)、レチノイン酸(0.5mM)添加によって、iPS細胞の増殖は影響を受けなかったが、、間葉系幹細胞のマーカーとされているCD34、STRO-1の発現が増加することを見出した。今年度は、これらの細胞成長因子・ビタミンによって間葉系幹細胞に分化させた細胞を、さらに骨芽細胞へ分化させる方法を検討した。この方法としてわれわれの独自の方法として、生体骨の微小環境を模倣したscaffoldを使用することにした。すなわち、人工骨として臨床応用されているハイドロキシアパタイト(HAP)と生体骨の組成に近い5~8%の炭酸基を含有するカーボネイトアパタイトをscaffoldとした。iPS細胞は、ヒトの皮膚の綿維芽細胞にOct3/4、Sox2、KIMの3遺伝子をレトロウイルスベクターによって導入したヒト人工多能性幹細胞株(RBRC-HPS0002)をRIK(EN Cell Bankから入手し実験に使用した。TGF-βおよびレチノイン酸添加によって、間葉系幹細胞に分化させて後、上記のバイオセラミック上で培養を続けた。その結果、骨芽細胞の分化マーカーであるアルカリホスファターゼ、type Iコラーゲンおよびオステオカルシンの発現が上昇し、骨芽細胞への分化が促進されることが明らかとなった。
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