2011 Fiscal Year Annual Research Report
月経前症候群による看護職のヒューマンエラー発生防止のためのセルフケア行動の促進
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22659399
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
小西 清美 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (50360061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 幸代 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (80512847)
仲村 美津枝 名桜大学, 健康科学部, 教授 (30114309)
名城 一枝 名桜大学, 健康科学部, 講師 (00316217)
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Keywords | 月経周期 / 多重課題 / ヒューマンエラー / 医療安全 / 月経前症候群 |
Research Abstract |
平成22年度に実施した実験研究の結果を解析し、女性心身医学で2011年9月に公表した。平成23年度は、「看護現場におけるインシデント・アクシデント発生時の月経前期と不定愁訴に関する研究」について、9月に倫理審査の承認を得てから、11月から12月にかけて自記式無記名調査を郵送法で行った。対象は、A県中南部北部の5総合病院で、月経を有する看護職を対象に785枚配布し、540人(68.8%)の回答が得られた。本研究の結果を1から3報とも第38回日本看護研究学会学術集会で発表のため投稿し、3月に採択された。 第1報は、看護職者の月経の状況と月経前の不定愁訴とミスの関係に関する研究結果で、月経前にミスを起こしやすくなると回答した者は224名(41.6%)おり、ミスを起こす程度が弱いと答えた者が152人(28.1%)、中程度が59名(10.9%)ミスを起こす程度が強い者が13人(2.4%)であった。ミスを起こしやすくなると回答した者が月経随伴症状を有意に訴えていたという結果が得られた。 第2報では、看護現場での多重課題の業務遂行時のインシデント・アクシデント報告と月経前の不定愁訴との関係についての結果は、インシデントの報告した中で、多重課題であったとの回答は63.5%であった。その時の月経前の不定愁訴は、多重課題有群が無群に比較して有意に愁訴が高かったという結果が得られた。 第3報では、看護現場でのインシデント報告の中に月経の時期を記入することに対する看護職の認識についての結果は、インシデント報告に事故時の月経の時期について質問項目を設けたほうがよいのか質問に、「よいと思う」が32.6%、「よくないと思う」(15.0%)、「わからない」(52.4%)であった。「よいと思う」と回答した者で、その理由を記述した分析結果は、<PMSとの関連性が示されると他者の理解が得られる><月経によって身体や精神に与える影響を明確にできる><対策を立てることができる>等にまとめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象の施設である総合病院の看護部長はじめ看護職者の皆様が、多数の方が調査協力していただき、信頼性の高いデータが収集できたと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度「看護現場におけるインシデント・アクシデント発生時の月経前期と不定愁訴に関する研究」で得られた結果を、院内研修会で結果報告とセルフケア行動促進のための研修会を行い、院内研修会の中でインシデント・アクシデント報告内容の改訂版(案)を提案したいと考えている。インシデント・アクシデント報告内容の改訂版を作成までが、本年度の計画であるが、インシデント・アクシデント報告の中に月経状況を記入することに対する課題が残されているので、今後、臨床側と検討して、進めていきたいと考えている。
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