2011 Fiscal Year Annual Research Report
難病患者の健康と安寧の推進を目的とした音楽を活用した心身のリハビリテーションケア
Project/Area Number |
22659401
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
猪股 千代子 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90381326)
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Keywords | 統合医療 / 補完代替医療 / 難病 / QOL / ホリスティックヘルス / ヘルスケアシステム |
Research Abstract |
「研究目的」:保健医療職・音楽療法士による、神経難病患者のQOLを高める「健康と安寧の推進を目的とした音楽を活用した心身のリハビリテーションケア」のプログラム開発と実践を「多職種協同健康増進プログラム開発モデルによるヘルスケアサポート実践」として紹介し、参加者にとっての効果とプログラムの意義を考察する。「研究方法」:1.実践法:看護師などの保健医療職は、患者のヘルスケアマネジメントを目的とした、血圧・脈拍測定、問診などによる症状アセスメントとQOL調査や健康相談を行い、情報を音楽療法士へ提供しケア目標を共有。音楽療法士は、患者のニーズと症状に合わせたプログラム設計とセッションを実施。多職種協同チームで、セッション参加者の行動をカンファレンスで評価し、プログラム設計にフィードバック。今年度は自治体と共同で実施;平成22年に北海道A市保健所主催の学習会において、音楽療法の目的や効用について、医療職・行政職に講演を実施。同時にパーキンソン病患者を主にした神経難病患者に対して音楽療法を1回実施(医療職、福祉職、音楽療法関連職も体験する)。2.研究方法:対象はプログラムに参加したパーキンソン病と脊髄小脳変性症の神経難病患者。調査方法は、独自に設計したアンケート調査。「結果および考察」:患者・家族の感想から:家族の5割がストレスケアと心のケアを求めていた。患者の5割が「楽しかった、自宅で出来そうな方法を体験できた、気持ちが癒された、体を動かす機会になった」と回答している。家族の8割が「楽しかった」、5割が「笑顔になれた、自宅で出来そうな方法を体験できた、気持ちが癒された」。難病患者に対する支援事業は限られているため、患者や家族は孤立感を感じやすい。患者会穏あるが外出もままならない状況では参加は困難である。特に北海道のように広域で患者が点在する場合は尚更である。治療が在宅医療にシフトしてきている現状から、また、難病患者の置かれた環境を考慮すると、保健師を中心とする自治体の取り組みや保健・医療・福祉職の連携が重要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今回、自治体と共同で難病患者の健康と安寧の推進を目的とした音楽を活用した心身のリハビリテーションケアが実践できたことにより、今後、我々の実践活動が北海道の地方にも普及する機会になり、前進したと評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、自治体の保健師や、地域包括支援センターなどの福祉職にはたらきかけ、地方在住の難病患者への健康増進プログラムとして活用されるよう広報活動を工夫する。また、神経難病患者に制限せず、難病患者や、認知症患者・家族へのプログラムの検討を加える。医療者にも理解してもらうために、病院などでも開催する計画を立てる。
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Research Products
(4 results)