2010 Fiscal Year Annual Research Report
位置有感型ガス検出器を用いた加速器中性子捕捉療法用2次元ビームモニタの開発
Project/Area Number |
22680044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 浩基 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (70391274)
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Keywords | 中性子捕捉療法 / 加速器中性子源 / 二次元モニタ / ガス検出器 / 線量評価 |
Research Abstract |
中性子捕捉療法におけるサイクロトロンを用いた加速器中性子源は、これまで臨床試験に用いてきた原子炉中性子源と比較して、治療ビーム中に高エネルギー中性子成分が混入するため、高速中性子を考慮した治療ビームの二次元線量分布評価を行うことが急務となっている。そこで本研究では熱および速中性子領域に感度を有する位置有感型ガス検出器を用いたリアルタイム中性子束モニタを開発することを目的としている。本年度は(1)位置有感型ガス検出システムの構築と(2)中性子線源を用いたシステムの特性試験を実施した。(1)本研究において構築したシステムは二次元位置検出器ヘッド、多チャンネル前置増幅器、多チャンネルディスクリミネータ、二次元画像再構成回路、二次元表示システムから構成される。二次元位置検出器ヘッドは2mmピッチでアノードワイヤ及びXY情報取得読み出し平面ワイヤを設置しており、アノードワイヤでガス増幅を起こした電荷はXY平面ワイヤに誘導電荷を誘起させる。それぞれのXYワイヤからの信号は多チャンネル前置増幅器によって増幅され、ディスクリミネータで電気ノイズと弁別し、位置情報を得る。それぞれのワイヤからの信号は二次元画像再構成回路で処理され、表示される。(2)構築したシステムを用いて中性子照射試験を実施した。ガスゲイン試験、ガンマ線弁別試験、電離電子のドリフト時間測定を実施した。XY平面の位置情報を取得可能な電荷の出力波高が得られることを確認することができた。次年度はKUR重水設備を用いて高強度中性子ビームを用いた特性試験を実施する予定である。
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