2011 Fiscal Year Annual Research Report
植物オルガネラ遺伝情報を維持・制御するPPR蛋白質のRNA認識コードの網羅的解析
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22681028
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 崇裕 九州大学, 農学研究院, 特任准教授 (10464398)
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Keywords | PRP蛋白質 / RNA / ミトコンドリア / 葉緑体 |
Research Abstract |
高等植物のみで大きなファミリーを形成するPPR蛋白質は、ミトコンドリア、葉緑体のゲノム情報をRNAレベルで配列特異的に維持・管理している。本研究はPPR蛋白質のRNA結合特性を明らかにすることで、PPR蛋白質による植物のオルガネラ遺伝情報維持機構に新たな知見を得るこどを目的としている。 本年度は、昨年度より行っているHCF152蛋白質をモデル分子として用いたPPRモチーフのRNA結合能の確認実験、および論文発表を行った。 また、RNA編集に関わる既知のPPR蛋白質と標的RNA配列、約30種、の組み合わせを材料に、計算科学および統計学的手法で、PPRモチーフのRNA認識コード、PPRコード、を明らかにした。その結果、PPRモチーフのRNA結合能は、PPRモチーフを構成する35アミノ酸の中でも、ほんの数個所のアミノ酸で決定することがわかった。さらに、当該アミノ酸の種類および組み合わせに含まれる結合RNA塩基の情報を用いることで、生体内の標的RNA分子が予測できることが明らかになった。本成果に関しては、特許申請を行うとともに、論文発表の準備を進めている。 上記に記したPPRコードの正確性を試験管内、および生体内で検証・利用する実験系の確立に着手した。 同時に、PPR蛋白質の結合RNA配列予測プログラムの試用版を構築した。このプログラムを用いて、シロイヌナズナに含まれる機能未知PPR蛋白質いくつかのの標的予測を行った。現在、該当遺伝子を欠損したシロイヌナズナを入手し、予測の正確性を検証している。 また、PPRモチーフのRNA結合特性を大量かつ高速にアッセイするためのPhageDisplay法の導入を継続して行った。天然型PPRモチーフ500種、または上記のPPRコードを担うアミノ酸群にアミノ酸置換を施した合成PPRモチーフ、ふたつのライブラリーを構築した。特定のRNA配列に結合するPPRモチーフの選抜を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、PPRモチーフの選択的なRNA配列の認識機構、の原理をほぼ解明することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに研究を進めるとともに、応用展開にいち早く着手するべきだと考える。
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Research Products
(6 results)