2012 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ホウ素で覆われた融液からのゲルマニウム結晶成長における酸素の輸送機構の解明
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22686002
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
太子 敏則 信州大学, 工学部, 准教授 (90397307)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ゲルマニウム / 結晶成長 / 酸素 / 輸送機構 / 低転位密度 / 引き上げ法 / 高強度 / 酸化ホウ素 |
Research Abstract |
本研究では、引き上げ(CZ)法ゲルマニウム(Ge)結晶成長において、無転位成長を実現できる酸化ホウ素(B2O3)で覆われたGe融液からのGe単結晶育成について、酸素の輸送(①B2O3からの溶解、②石英(SiO2)るつぼからの溶解、③融液表面からの蒸発、④結晶中への偏析)現象を解明するとともに、⑤酸素含有Ge結晶の強度評価と転位運動、酸素ドナー挙動についても解明することを目的とする。平成24年度は以下の知見を得た。 (1) B2O3と石英るつぼを用いたGe融液中の反応解析を行ったところ、結晶育成温度よりも200℃高い1200℃においてもるつぼからのSiの溶出がないことを明らかにした。さらに、Ge融液中にSiを意図的に添加すると、B2O3が分解されBが結晶中に混入しp型になることも確認した。これらの知見から、この結晶育成における反応機構の全容が解明できた。 (2) 一昨年の研究でGe結晶育成中の酸素の見かけの偏析係数は1.2~1.5であったが、(1)の結晶育成中の反応(蒸発、溶解等)を考慮すると、酸素の真の偏析係数 は1.4~2.2であると見積もられた。 (3) Ge結晶中の酸素ドナーは325~450℃の熱処理によって、結晶中の格子間酸素がクラスタ化することにより形成されることを明らかにした。また、400℃の熱処理によって形成が促進された。この酸素ドナーはダブルドナーであり、酸素原子16~19個によって形成、安定化することがわかり、Si結晶中の酸素ドナーと類似の形成挙動を示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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