2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール局所応力導入型多探針電気伝導度測定装置の開発と計測
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22686006
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
白木 一郎 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (10399389)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
ナノスケール局所応力導入型多探針電気伝導度計測装置の開発を行った。多探針装置の個々の探針を駆動する走査型プローブ顕微鏡ユニットの基本構成部品である粗動機構について、Pan-type walkerを改良したアクチュエーターユニットの基本設計、また同ユニットを駆動するための高電圧制御回路の設計などを行った。併せて、これらを統合して精密に探針の位置制御をするためのSPMコントローラーをセットアップした。超高真空容器内でこれら多探針ユニットを搭載して室温~極低温環境下での計測を可能とするクライオスタットの設計・準備を行った。当初計画では、関連する研究グループから譲渡される電子顕微鏡および真空関連部品を使用する予定であったが、先方の研究計画の変更に伴い譲渡が一時保留となったため、更なる開発は来年度へと持ち越しになった。一方で、他の関連する研究グループの協力の下、周辺技術(プローブ先端への微小試料担持技術、プローブ先端加工技術)の評価、単探針での予備実験および試料基板評価で用いるための超高真空走査型プローブ顕微鏡の立ち上げを行った。その結果、研究計画内で用いる試料基板の1つであるチタン酸ストロンチウム(SrTiO_3)の表面超構造について新しい知見を得ることができ、学会発表並びに論文発表を行った。実験の困難さから、これまで十数年以上に渡り報告がなかった√5×√5表面超構造について初めて詳細なSTM像を取ることに成功し、同表面超構造がTiO_2面上における構造であることなどを明らかにした。
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