2011 Fiscal Year Annual Research Report
二次性能動輸送体による細胞環境維持機構の構造生物学
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22687007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石谷 隆一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90361568)
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Keywords | X線結晶構造解析 / 膜蛋白質 / 膜輸送体 / ドラッグデリバリー / 多剤排出因子 |
Research Abstract |
細胞内外の環境維持に重要な能動輸送体は,エネルギーを消費して細胞膜を介した物質輸送を行う膜蛋白質であり,二次性輸送体は一次性輸送体が作り出したH+,Na+等のイオンの濃度勾配をエネルギー源として,低分子化合物を能動的に輸送する役割を持つ.特にこの二次性輸送体は,アミノ酸,核酸,糖,薬剤など,重要な生理活性物質の細胞内外の分布を決定づけている.そのため,これらの輸送体のヒトにおける機能異常は様々な疾病と深く関係している.本研究は,生物学的,医学的応用の両面から重要である二次性能動輸送体,多剤排出輸送体MATE,Ca^<2+>カチオン交換体CAX,オリゴペプチド輸送体POTのX線結晶構造解析・機能解析を行っている. MATEに関しては構造解析可能な結晶を得て,セレノメチオニン置換体を用いた単波長異常分散(SAD)法により構造決定に成功した.現在機能解析を行うとともに論文執筆中である.CAXに関しても,3Å以上回折する結晶を得ることに成功した.今後位相決定を行い,構造解明を目指す.POTに関してもSAD法による構造決定に成功し,構造に基づいた変異体の機能解析,またさらに,構造に基づいた分子動力学シミュレーションを行った.現在機能解析を行うとともに論文執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
構造解析が困難である膜輸送体MATE,POTに関しては,すでに構造決定に至っており,機能解析等もおおむね完了しているため,計画より進んでいると言える.また,一方CAXに関しても構造解析可能な結晶を得ており,計画通り研究が遂行できている.
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Strategy for Future Research Activity |
POT,MATEに関してはさらに機能解析を必要に応じて行い,輸送機構を解明する.CAXに関してはセレノメチオニンあるいは重原子置換体結晶の調製をおこない,構造決定を目指す.構造が決定できれば,構造に基づいた機能解析を行い,輸送機構の解明を目指す.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Structure of a dominant-negative helix-loop-helix transcriptional regulator suggests mechanisms of autoinhibition2012
Author(s)
Ishii R, Isogaya K, Seto A, Koinuma D, Watanabe Y, Arisaka F, Yaguchi SI, Ikushima H, Dohmae N, Miyazono K, Miyazawa K, Ishitani R, Nureki O
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Crystal structure of the channelrhodopsin light-gated cation channel2012
Author(s)
Kato HE, Zhang F, Yizhar O, Ramakrishnan C, Nishizawa T, Hirata K, Ito J, Aita Y, Tsukazaki T, Hayashi S, Hegemann P, Maturana AD, Ishitani R, Deisseroth K, Nureki O
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Journal Title
Nature
Volume: 482
Pages: 369-374
DOI
Peer Reviewed
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