2011 Fiscal Year Annual Research Report
経時データと生存時間データを有効に利用する統計手法の開発
Project/Area Number |
22700297
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
米本 孝二 久留米大学, バイオ統計センター, 講師 (90398090)
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Keywords | 同時モデリング / 観察研究 / 経時データ / 生存時間データ |
Research Abstract |
1.疫学研究において回帰モデルの係数を評価する際にregression dilution biasの影響を考慮する必要があるが、同時モデルを用いることでそのバイアスの影響を小さくすることが出来ると考えられる。その予想を検証するため1つの生存時間データ、1つの経時データという簡単な場合を用いて同時モデリングを実行し、同時モデリングを用いる場合と用いない場合で結果を比較した。上記予想通り、バイアスが除去されることもあり、同時モデリングを用いた方が興味のある変数の影響をより強くクリアに検出することが出来た。 2.観察研究では、曝露と疾患の関連をきちんと評価するには交絡因子の調整が重要である。また交互作用などもきちんと評価した方が良い。そのような観察研究のデータに適応できる経時データと生存時間データの同時モデリング手法に関して研究を行った。とくに同時モデリングにおいて経時データを混合モデル、生存時間データに対してはCox比例ハザードモデル、そしてそれぞれのモデルに共通のランダム効果があるshared parameter modelを用いて同時モデリングすることを想定し、その同時モデリングの中に関数分散分析法および開発した変数選択アルゴリズムを導入した場合の尤度の構築、パラメータ推定、変数選択法に関して研究を行った。 3.久山町研究や臨床研究に参画し、実際の医学研究において幅広いテーマで経時データ、生存時間データの解析に携わり多くの成果が国際誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究には大きく2つの目的があり、1つが関数分散分析法を導入した同時モデリング手法の開発、もう1つが非線形な影響を評価することに適したモデリングアルゴリズムの開発である。前者については段階的に着実に研究が進んでいる、また後者については既にそのアルゴリズムを考案した。従って、本研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
観察研究の要求に耐える複雑な同時モデリングを行うプログラムの開発は非常に大変な作業である。それを出来るだけ早く行うために、まずはC言語などのプログラミング言語を駆使し、提案法のプログラムを開発する。そして複雑な状況の下でも提案法が有効であることを検証する。
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