2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNA免疫法を用いた霊長類用検出抗体の作成法の確立
Project/Area Number |
22700455
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東岸 任弘 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (20379093)
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Keywords | 熱帯熱マラリア / リスザル / 霊長類 / 検出用抗体 / IgG / cDNAライブラリー / 遺伝子クローニング / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
サルはヒトと同じ霊長類に属し、医学の基礎研究から前臨床試験において必要不可欠な実験動物として広汎な研究に使用されている。私の主要な研究テーマであるマラリアワクチンの開発では、リスザルを用いた免疫・感染実験によりワクチン効果の検証を行っている。しかし、リスザルはワクチンの効果、安全性を調べる上で必須不可欠であるにもかかわらず、免疫応答を研究するための各種検出抗体などが揃っていない。そのため、貴重なヒトモデル実験動物であるサルを用いても、十分なデータが得られていないのが現状である。 これまでに医薬基盤研究所・霊長類医科学研究センターにおいて、マラリアワクチンの開発を目指して、リスザルを用いたSE36ワクチンの免疫とマラリア原虫の感染実験を行ってきた。この過程でマラリア原虫感染前の健常リスザルの脾臓を採取している。本研究ではこの非感染の脾臓からRNAを抽出し、cDNAライブラリーを作成した後、IgG、IgA、IgM遺伝子、CD4、CD8遺伝子などをクローニングした。現在はIgG検出抗体を作成中である。 霊長類を用いた研究は貴重なデータが得られる反面、繁殖・飼育・実験環境が限られているため研究者人口が少ない。そのため、このような検出用抗体は需要が少なく、商品化されにくい。本研究で得られる成果はリスザルを用いた免疫学・感染症学研究にすぐさま利用可能であるばかりでなく、本方法を応用することでIgG以外のFcレセプターやサイトカインといった免疫関連分子、およびその他の重要な分子の検出抗体の作成が可能となる。本研究により検出用抗体の作成法を確立することは、霊長類を用いた研究の進展に寄与することとなる。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Evidences of protection against blood-stage infection of Plasmodium falciparum by the novel protein vaccine SE36.2010
Author(s)
Horii T, Shirai H, Jie L, Ishii KJ, Palacpac NQ, Tougan T, Hato M, Ohta N, Bobogare A, Arakaki N, Matsumoto Y, Namazue J, Ishikawa T, Ueda S, Takahashi M.
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Journal Title
Parasitology International
Volume: 59
Pages: 380-386
Peer Reviewed
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