2011 Fiscal Year Annual Research Report
肩腱板断裂患者の症状の有無と肩関節運動様式の関連について
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22700528
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村木 孝行 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (50404778)
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Keywords | 腱板 / 無症候性断裂 / 動作解析 / 肩甲骨 |
Research Abstract |
肩腱板断裂は肩関節の疼痛や筋力低下を引き起こし、日常生活動作のみならず睡眠も障害する疾患である。この疾患は60歳を超えると15%以上の発症率となり罹患しやすい疾患であるが、そのうち約7割に自覚症状がない無症候性の腱板断裂であると報告されている。本研究の目的は腱板断裂症例の肩関節運動を3次元的に測定し、有症状症例と無症状症例間の運動様式の違いについて詳細に調べることである。本年度は本研究の最終年度であり、肩関節運動の3次元解析測定システムであるPolhemus社の電磁気式三次元動作解析装置3SPACE FASTRACKを用いて20名の対象者(無症候性断裂症例10例、有症候性断裂症例10例)の肩関節挙上運動を測定した。無症候性、有症候性どちらの症例も測定により痛みが増強することはなかった。解析は肩関節挙上運動中の胸郭に対する上腕骨回旋運動、肩甲骨上方・下方回旋運動、内・外旋運動、前・後傾運動、肩甲骨に対する上腕骨回旋運動、挙上運動、水平内・外転運動の発生タイミングと運動の大きさについて無症候性症例と有症候症例の比較を行っている。この比較を行うことで、腱板断裂症例における症状発生の要因が運動様式の違いから見いだせる可能性がある。具体的には断裂する腱板筋が直接関与する関節に違いが生じるのか、肩甲骨の運動様式にも違いがあり、その周囲筋群の筋力低下や不適切な筋収縮パターンが関与しているのかなどを検討する。
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