2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳損傷後片麻痺患者に対する機能的筋力トレーニングの効果
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22700533
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大畑 光司 京都大学, 医学研究科, 講師 (30300320)
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Keywords | 脳卒中 / 片麻痺 / 歩行 / 筋力 / トレーニング |
Research Abstract |
近年、脳損傷後片麻痺患者に対するリハビリテーションにおいて、「筋力トレーニング」の重要性が再評価され、筋力は運動障害を構成する重要な因子であると考えられるようになっている。しかし、筋力トレーニングによる立位や歩行などの運動機能改善に対する効果は明確ではない。通常、筋力トレーニングは随意的な筋力発揮が前提となり、筋への過負荷が重要になる。しかし、皮質脊髄路の損傷を有する片麻痺患者において、皮質性の制御と考えられる随意努力による漸増負荷抵抗トレーニングでは、必要とされる筋力発揮水準に達しない可能性があると考えられる。本年度の研究としては、まず、三次元歩行解析を用いて、片麻痺患者の歩行時に生じている関節トルクのピーク値(PTJ)を定量的に評価し、筋力測定における最大等尺性筋力(MVC)との比較を行った。対象は屋内歩行が可能な地域在住の脳損傷後片麻痺者10名とし、発症からの平均期間は68±80か月であった。麻痺側において、膝関節伸展、足関節背屈でMVCの方が有意に大きくなっていたが、股関節伸展、膝関節屈曲、足関節底屈はPJTの発揮トルクのほうが有意に大きかった。しかし、運動機能との関係はMVCのほうが、PJTより高い値を示した。片麻痺者の結果において、麻痺側では多くの運動方向でPTJの方がMVCよりも高値を示していた。このような麻痺側におけるPJTの優位性は、筋力発揮水準が筋力測定時よりも歩行時のほうが高く、有意差の見られた筋力は、漸増負荷抵抗トレーニングより歩行トレーニングのほうが筋に過負荷を与えられる可能性があることを示している。一方、歩行速度やTUGなどの臨床との関連性は、PJTより低い筋力しか発揮していないはずのMVCの方が高かった。この理由として、PJTの高さは発揮筋力の制御不全という側面もあり、かえって機能的に不利な状態を生じさせている場合もあることが考えられる。
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Research Products
(4 results)