2010 Fiscal Year Annual Research Report
エチゼンクラゲ由来降圧活性ペプチドの起源タンパク質の探索とその体内動態
Project/Area Number |
22700735
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
森永 八江 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (40404818)
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Keywords | エチゼンクラゲ / コラーゲン / 降圧活性 / ペプチド / タンパク質 |
Research Abstract |
クラゲの主要タンパク質はグリシンの繰り返し〔Gly-X-Y〕_n構造を持ったコラーゲンであるが、Morinagaらが発見した降圧活性ペプチドYYAPFEはグリシンを有しておらず、そのペプチドの由来がコラーゲンなのか非コラーゲンタンパク質なのかを明らかにするために検討した。 まず、エチゼンクラゲより三浦らの方法で非コラーゲンタンパク質を調製し、さらにそれをペプシン処理することによって生成するペプチドについて、そのACE阻害活性およびアミノ酸組成を、YYAPFEの精製の中間物質と比較した。非コラーゲンタンパク質を高濃度ペプチド溶液調製と同じ条件でペプシン処理し、ACE阻害活性を有するペプチド溶液が得られるか検討したところ、ACE阻害活性(IC_<50>)は、ペプシン処理した非コラーゲンタンパク質で、2.54mg/mlと、20%ペプチド溶液をSep-Pakで分画した40%CH3CN画分の2.50mg/mlとほぼ同値であった。 次に、ACE阻害活性を有する3つのペプチドのアミノ酸組成を比較検討した。非コラーゲンタンパク質をペプシン処理した試料は40%CH_3CN画分のアミノ酸組成とほぼ一致した。これに対して、出発物質の粉末クラゲの37℃ペプシン処理試料はグリシンが3割含まれており、またコラーゲンに特有のヒスチジルプロリンとヒスチジルリシンが含まれ、粉末クラゲはコラーゲンが主要タンパク質と考えられた。しかし、40%CH_3CN画分の収率は6.6%であり、Sep-Pakで粗分画した40%CH_3CN画分にエチゼンクラゲの非コラーゲンタンパク質が分画されたものと考えられた。 以上、これまでの結果を総合すると、この40%CH_3CN画分から得られたYYAPFEはエチゼンクラゲの非コラーゲンタンパク質から、得られたのではないかと考えられた。
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