2011 Fiscal Year Annual Research Report
視線が一致するTV会議システムを利用した3地点間による遠隔教育の教授方略研究
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22700832
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Research Institution | Okazaki Women's Junior College |
Principal Investigator |
谷田貝 雅典 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (70469485)
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Keywords | 遠隔教育 / TV会議システム / 視線一致 / 多地点学校間交流 / 協調学習 / 教育効果 / 教授方略 / 共分散構造分析 |
Research Abstract |
半世紀前に描かれた多くのSF作品に、未来の通信としてTV会議(電話)システムが登場した。21世紀となった今日では、TV会議システムは国際活動、企業、医療、教育など様々な社会で活用されている。しかし、現行のTV会議システムは、かつてSFで登場したシステムとは大きく異なり、通信者双方の視線が一致しない。今やハイビジョンで通信できるほど通信速度や画像音声は目覚ましい進化を遂げたが、ヒューマンインターフェースの観点は立ち遅れているのが同システムの現状である。そこで本研究では、視線が一致するTV会議システムの試作機により、自然なコミュニケーションの有効性を、教育活動とその評価により明らかにすることを目的とした。 本研究は、下記の4つの研究計画からなる。 研究I:視線一致型および従来型を介した2地点間と3地点間による遠隔教育の最適学習環境の検討 研究II:2地点間および3地点間による遠隔教育における視線一致型と従来型の画像投影サイズ限界の検討 研究III:2地点間と3地点間による対面教育および視線一致型と従来型を利用した遠隔教育の教育効果測定 研究IV:3地点間による遠隔教育の教授方略研究 本研究の特色は、教育活動に焦点をあて、これまでの2点間による通信を3地点間に拡張し、3要因(遠隔視線不一致、遠隔視線一致、対面)の学習環境における、教育・学習効果の比較評価を行ったことである。 本研究において、現在まで得られた成果の一部を下記に示す。 ・視線が合わないTV会議システムは、多様な学習方法において共通して飽きや疲労に関する学習負荷や学習環境格差が認められ、これを補う新たな教授方術や学習環境整備が必要である。 ・視線一致型のTV会議システムは、対面学習環境に近い環境であり、特に協調学習では、対面学習環境以上に「弛緩・飽き」がおこりにくく「バーバルコミュニケーション」が円滑に行えることがわかった。 ・3地点間における各地点2台の視線一致型TV会議システムの最適画面配向は150。である。 ・3地点間におけるコミュニケーションは、3者間のゲイズアウエアネスの成立環境が重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究とその成果は、計画に従い進行している。また、現在までの研究成果から新たなテーマも見いだされた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、遂行する。また、これまでの研究成果より、視線一致型TV会議システムによる協調学習の有効性が確認されため、実践研究として、下記研究Vを新たに追加実施する計画である。 研究V「視線一致型TV会議システムを利用した多地点間による疑似双方向遠隔留学環境の構築と評価」 (現在、海外の大学との連携を協議検討中である)
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