2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト上皮成長因子受容体変異肺癌に対するチロシンキナーゼ阻害剤の効果に関する検討
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22700916
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宗 淳一 岡山大学, 大学病院, 助教 (90559890)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 薬剤耐性 / EGFR遺伝子変異 |
Research Abstract |
EGFR 遺伝子変異陽性肺癌は分子標的薬であるEGFR チロシンキナーゼ(TK)阻害剤に対して高い感受性を示すが、TK 阻害剤治療感受性を示した症例の多くは経過により耐性化する。TK阻害剤の感受性・耐性化機構の解明と耐性例での治療法確立は重要である。遺伝子の蛋白への翻訳を調節しているmicroRNA (miRNA)は、その発現異常が多くの癌における癌関連蛋白質の発現異常を引き起こす一因となっており、EGFR-TK 阻害剤感受性および耐性化機構に関与している蛋白質群の発現をmiRNAが制御していることが予想される。本研究ではEGFR 遺伝子変異陽性肺癌、特にEGFR-TK 阻害剤耐性化肺癌に対し、1)EGFR-TK 阻害剤の効果・耐性規定因子としてmiRNA 発現の網羅的解析と候補miRNA の機能解析、2)新規分子標的薬であるFocal adhesion kinase (FAK) 阻害剤(TAE226)の効果を検討することで、分子標的薬剤によるEGFR 変異陽性肺癌の新規個別化治療を目指した研究を行う。 作成した耐性株の種類と数を増やし、これまでEGFR変異陽性肺癌細胞株PC-9、HCC827、HCC4006、HCC2935を親株としたTK阻害剤耐性株を計20クローン樹立した 。これらの耐性株と親株のmiRNA発現を網羅的解析により比較検討を行い、変動のあるmiRNA群を定量的PCR法で確認し、現在それらの機能解析を行っている。EGFR変異株はEGFR野生型株と比較し、リン酸化EGFRの抑制が低濃度のTAE226処理で誘導されることを発見し、EGFR変異蛋白とEGFR野生型蛋白に対するTAE226の結合能の比較を行い、変異蛋白は野生型に比較して結合能が高いことを見出した。クリスタル解析などの構造解析から、TAE226とEGFR変異蛋白の親和性も検討し、論文投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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