2011 Fiscal Year Annual Research Report
一細胞遺伝子発現解析のためのチッププラットフォームの構築
Project/Area Number |
22710122
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
斉藤 真人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80457001)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロバイオシステム |
Research Abstract |
単一の細胞や遺伝子情報の解析・評価を可能にするため、微細加工技術を用いて微小反応場を作製し、これに単一細胞を分離・配置し、PCR法などを組み込んだ一細胞・一分子DNAレベルの解析手法を開発・確立させ、単一細胞評価・診断への基盤技術へと発展させることを目的とする。網膜色素変性症など視力の回復において、網膜細胞の再生や移植が有効であるが、このとき網膜細胞の分化状態を遺伝子レベルで評価を行うことが望まれる。網膜細胞の色素沈着に伴う成熟度を一細胞ごとに遺伝子発現評価するため、透明なポリスチレン製マイクロチャンバーアレイを作製した。各チャンバーサイズは540×540×210μm(容量33.7nL)で、これを1枚のチップ上に1248(24×52)個配列させている。PCR酵素量、プライマー濃度、反応時間、温度、内在性コントロール遺伝子などオンチップRT-PCR諸条件の検討を行い、遺伝子検出が行えることを確かめた。ガラスニードルを用いて、網膜細胞一細胞をマイクロチャンバー内に配置可能であった。さらに光学顕微鏡観察下において、色素沈着前と沈着後の網膜細胞を判定することも可能であった。色素関連遺伝子であるRPE65領域のプライマーを用いてオンチップRT-PCRを行ったところ、色素沈着後細胞よりも前細胞のほうが遺伝子発現量の多い結果となった。一方、上述に用いた1ステップRT-PCRだけでなく、より汎用的な2ステップRT-PCRを行えるよう、2段構造のマイクロチャンバーアレイも設計作製した。600x600x100μmサイズのチャンバー(1段目)の上に、1200xl200x200μmサイズのチャンバー(2段目)を有する構造となっている。β2イムノグロブリン遺伝子を指標に、1段目チャンバーにB2Mプライマー、total RNAおよび逆転写酵素を導入し、逆転写反応を行った後、続けて2段目チャンバーにPCR溶液を導入し、PCR反応を行った。その結果、オンチップ2ステップRT-PCRが可能であることが確かめられた。
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Research Products
(5 results)