2010 Fiscal Year Annual Research Report
死者を通じて形成される世界観に関する研究―「ナショナルな墓地」を手がかりとして
Project/Area Number |
22720027
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 悟 神戸大学, 国際協力研究科, 学術推進研究員 (90526055)
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Keywords | ナショナリズム / 慰霊 / 追悼 / 靖国神社 |
Research Abstract |
本研究は、韓国と日本における「ナショナルな墓地」を通じた死者の慰霊追悼の研究を手がかりとし、ナショナリズムに関する事例研究・比較研究を進め、その含意の読み解きを試みることを目的としている。この目的のため、研究初年度である平成22年度において第一に達成が目指されたのは、本研究の韓国研究パートに関連する基礎的資料の収集、および各地に展開する死者関連施設群に関する概括的なフィールドワークの実施であった。 まず、フィールドワークについては、平成22年12月から平成23年2月にかけて、3次にわたる現地調査を実施した(釜山広域市・慶尚南道/忠清南道/京畿道)。また、基礎的資料収集についても、韓国語文献の他、論求データベースなどで関係先行研究を収集するとともに、フィールドワーク先でも資料の提供を受けた。これらの資料については、整理を進めているところであり、平成23年度以降に順次、その研究成果に公表していく予定である。 そのような中で、平成22年度中に開催が予定されていた科研費合同研究会「慰霊をめぐる人々とその空間」が、東日本大震災の影響で平成23年度に開催延期となったため、これに伴って一部研究を平成23年度へ繰り越すことになった。延期された研究会は平成23年5月28日に開催され、本研究に先行する死者慰霊・追悼関連の研究者との意見交換を行なった。そこで交わされた議論をもとに、その後の研究成果を盛り込んだ論考が、平成24年1月に公刊されている。
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Research Products
(1 results)