2012 Fiscal Year Annual Research Report
死者を通じて形成される世界観に関する研究―「ナショナルな墓地」を手がかりとして
Project/Area Number |
22720027
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 悟 神戸大学, 国際協力研究科, 助教 (90526055)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 国家報勲 / 葬墓文化 / 国立墓地 / 慰霊・追悼 / 韓国 / 日本 |
Research Abstract |
本研究は、韓国と日本における「ナショナルな墓地」を通じた死者の慰霊追悼の研究を手がかりとし、ナショナリズムに関する事例研究・比較研究を進め、その含意の読み解きを試みることを目的としている。この目的のため、研究最終年度である平成24年度において達成が目指されたのは、第一に韓国のいわゆる「国家報勲」政策に対する歴史的分析のさらなる発展とその成果の公表、第二に「国家報勲」政策の研究を、近代日本の国家祭祀・戦死者慰霊に関する研究と接続し、比較研究としてさらに発展させることであった。 第一の課題に関しては、本研究において実施されたフィールドワークや文献調査の成果を踏まえ、「国家報勲」政策の観点から韓国ナショナリズムについて考察した学会報告を、平成24年6月に行なった。この報告については、平成25年度中に論文として公表されることが決定している。また同じく、平成24年11月には関連した論考を書籍の一節として公刊するに至っている。これらは、現在も変容し続けている韓国のナショナルな墓地と、その背景にある「国家報勲」政策や「葬墓文化」の現状に分析を加えた最新のケーススタディであり、今後こうしたテーマの研究をさらに発展させるための基盤となる研究として位置づけられる。 また、第二の課題に関しては、韓国の葬墓文化から看取される「変化の文脈」について、平成24年9月に学会報告を行なった。この報告は、韓国における葬墓文化変容の文脈の根幹を経済的合理性に見ることで、日韓比較研究への示唆とすることを意図した考察であり、今後、本研究テーマのもとで韓国研究と日本研究を接続していくための予備考察として位置づけられる成果である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)