2010 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける身体表現の変遷?温故知新が生み出す"異物"の交流?
Project/Area Number |
22720059
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
北村 明子 信州大学, 人文学部, 准教授 (40334875)
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Keywords | 現代舞台舞踊芸術 / 舞台演出論 / 身体表現 / 振付論 / コンテンポラリーダンス / 芸術論 |
Research Abstract |
インドネシアの現代舞踊を中心に、振付身体語彙における伝統舞踊や武術からの影響が現在どのように発展しているか、またその発展の可能性についての考察を行った。本年度は特に、これまで学術的には扱われてこなかったシラット拳法の資料収集とそのテキスト解釈、身体技法のリサーチと、理論と実践を融合した舞台創作の要素探求を主な研究内容とした。研究実施計画に基づき、1度目の現地調査は6月ジャカルタにてインドネシア・ダンス・フェスティバル開催期間中に実施し、参加振付家・研究者らと情報交換を行った。また、ジョグジャカルタ、ソロにて若手振付家らの稽古場を視察。伝統舞踊への視点や世代的な振付方法の違いを調査。2度目は8~9月に滞在し、パフォーマー・音楽家であるスラマット・グンドノの元で滞在研究。ガムラン音楽やワヤン・クリなどの伝統的要素をどのように現代の舞台作品へと翻訳しているか、実践的作品創作の方法論を分析。テガールにて共同創作試作を発表。1月には舞踊家マルチナス・ミロトを招聘し、国内にてWSシンポジウムを行う。ジャワの伝統舞踊の実践的訓練法についての考察・分析。それらの思想を現代的な視点からパフォーマンスへと昇華させるため、神奈川県民近代美術館鎌倉館にて、レクチャー・パフォーマンスを発表。上記2つの共同作業はいずれも翌年度の舞台創作への試作である。3月は欧州におけるアジアの現代舞踊表現への視点をリサーチするため、ベルリン「世界文化の家」などを中心に、フェスディバルや劇場の視察を行い、どのような視点から作品評価しているかについて研究者、キューレーターらと意見交換を行った。 現在これらの調査を経た上で、舞台創作におけるインドネシアのアーティストらとの共同作業の方法論を考察中である。翌年度はその実施にむけての実践的な創作と、その過程・結果を国際的視野に基づき、文書化・ドキュメンテーション化する方法も考察していきたい。
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Research Products
(5 results)