2010 Fiscal Year Annual Research Report
ハイナー・ミュラーのテクストにおけるドイツ語と英語の相関
Project/Area Number |
22720134
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村瀬 民子 早稲田大学, 演劇博物館, 研究員 (40468848)
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Keywords | ドイツ語・ドイツ文学 / 演劇研究 / ハイナー・ミュラー / シェイクスピア悲劇 / 翻訳 / 翻訳・翻案戯曲 / "New German Critique" |
Research Abstract |
平成22年度は、研究実施計画に従って、ドイツ・ベルリンにあるハイナー・ミュラー・アーカイブを訪れ、ハイナー・ミュラーの未公開テクストにおいて、英語がどのように用いられているかを初めて調査した。現地では、資料目録の一部を複写することが許可され、資料の全体像を把握することができた。保管されている膨大な資料に関し、詳細な目録がデータベース化されており、アーカイブ内では検索できることが分かった。ただ、テクストに英語が含まれているかどうかは、一つ一つを読んで判断しなければならない。幸運なことに、重要な手稿は、一件ずつ写真撮影され、デジタル化が順次進められている。したがって、まずはアーカイブ内のPC画面上において、「Werknotiz」に分類された資料の中から、デジタル化された全ての資料について、英語がどの程度含まれているかを調査した。さらに、デジタル化されていない資料の中にも、英語が含まれる重要な資料を発見した。このアーカイブに保存された資料の一部は、ハイナー・ミュラー全集のズーアカンプ版において、遺稿として出版されているが、その中には、英語に関するものはほとんど見当たらない。今回の調査において初めて、ハイナー・ミュラーの英語への関心が確認され、未公開資料における英語の位置づけを考察する手掛かりを得ることができた。今回の調査を出発点に、今後、さらにこの方面の調査を進め、成果を公表するよう努力したい。研究実施計画では、文献や資料収集も予定しており、今年度は、ベルリンにおける演劇史の資料を購入した。また、ドイツ語圏の劇場における、シェイクスピアのような古典的な戯曲を考察するため、古典的な戯曲の上演が多いウィーンでの資料収集も行った。
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Research Products
(1 results)