2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本語と韓国語の談話における文末についての基礎研究
Project/Area Number |
22720167
|
Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
金 珍娥 明治学院大学, 教養教育センター, 准教授 (30440184)
|
Keywords | 日本語と韓国語 / 対照研究 / 談話分析 / 韓国語教育 |
Research Abstract |
本研究は,日本語と韓国語における<話されたことば>の談話を成す<文>のあり方を,とりわけ文末の表現に注目しつつ,描き出すための基礎研究である.研究実施計画に沿って,1年目は実際の談話を収集し,分析しつつ,とりわけ理論的基礎研究を行った.その研究成果を学会誌『朝鮮学報』に論文「<非述語文>の現れ方とdiscourse syntax-日本語と韓国語の談話から-」(pp.71-121)として発表した.既存の研究で十全たる<文>として位置づけられていなかった<非述語文>を位置づけ,文末の内部構造を解析したものである.こうした<非述語文>の研究に加えて,<話されたことば>を性格づける重要な特徴の1つである<間投詞>による文についての実践的・理論的研究の成果を日韓言語学者会議(麗澤大学)において発表,さらに論文化した.これら研究成果の一部を,韓国語学習教材である『きらきら韓国語』(同学社)に盛り込んだ.2年目は引き続き,談話のデータや資料の収集を行った.とりわけデータの量を増やすことと同時に,分析できうるデータ化を図った.このデータから見られる近年の韓国語の会話の特徴を,DVD book教材である『ドラマティック・ハングル-君,風の中に-』(朝日出版社)に盛り込んだ.2005年度NHKテレビハングル講座(金珍蛾著)をベースとし,本研究の成果により増強したものである.他方で,"〓〓〓〓〓"(『ハングルの誕生』野間秀樹著,東京:平凡社)の韓国語訳を共訳により出版した.本研究にとっても<書かれたことば>を見据えることで,逆に<話されたことば>を照らす,重要な多くの示唆を得ている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に提出した研究計画書とおり,まずは,談話データの収集が順調に進んでいる.初年度と2年目である2011年,韓国語の談話データが確保され,それに加え,論文や教材,翻訳書といった研究成果物も完成し,出版が実現しており,研究は順調に進んでいると評価しうる.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究最後の年である2012年は日本語と韓国語の談話データと資料のさらなる拡充とそれに基盤をおく論文や研究書を出版する予定である.
|
Research Products
(2 results)