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2010 Fiscal Year Annual Research Report

渤海の動物利用に関する考古学的研究

Research Project

Project/Area Number 22720292
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

内山 幸子  東海大学, 札幌教養教育センター, 講師 (20548739)

Keywords渤海 / 動物遺存体 / ゴルバトカ城址 / 狩猟 / 家畜飼育 / 動物考古学
Research Abstract

平成22年度は、まず史書に記された動物利用に関する記述の抽出と、すでに発掘調査の報告書が刊行されている渤海期の遺跡の整理(遺跡の存続年代や性格などのまとめ、動物遺存体のデータ集成)を行った。これらの作業は、渤海の文化概要や研究現状を把握するために、不可欠なものである。
さらに、骨格標本力宝十分に揃っていない海外の研究機関で動物遺存体の同定作業を実施するにあたり、作業の効率と精度を維持するために、骨格図録を作成した。おもに作成したのは、シカ科の骨格図録である。後述する同定作業は、この図録を参照して行った。
研究の核となる動物遺存体の同定作業は、ロシア科学アカデミー極東支部(ウラジオストク市)で実施した。対象としたのは、ゴルバトカ城址である。数年前から分析を進めてきたが、平成22年度の調査で作業はほぼ終了した。帰国後、収集した膨大な文字データ(種、部位、左右、年齢、性別、傷など)と計測値、写真データの整理を進めた。現在、整理途中であるが、これまでの集成結果から、本城址の担い手が、狩猟よりも家畜飼育を盛んに行っていたことや、家畜のなかでもイヌ・ブタをおもに飼っていたこと、狩猟についても後続する金・東夏期よりは頻繁に行っていたことが推測された。ゴルバトカ城址は、動物遺存体の出土量が多いことに加えて、分析作業やその結果の集成を層や地点ごとに実施したため、遺跡内での動物利用の時期的変遷や地点ごとの特徴が把握できる遺跡である。このような方法で分析された例は渤海期にほとんどなく、ここでの分析結果は、当該期の動物利用について検討する上で、きわめて重要なものとなる。
なお、本研究成果の一部は、書籍(『北東アジアの歴史と文化』)に「渤海の狩猟活動」と題して掲載される予定であったが、校正作業と刊行が遅れている(平成23年度刊行予定)。

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Published: 2012-07-19  

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